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水深800メートルのシューベルト|第641話

「それに、このアパートメントは狭くてアシェルの居場所はないわ。今さら一緒に住むことになっても……」
「ご心配には及びません」


 ママが言い終えないうちに、ラスウェルさんは、鞄から書類を取り出した。彼が何かを言う前に、僕が口を出した。
「お婆ちゃんと住んでいた家で暮らし続けようと思うんだ。だから、ママには迷惑をかけないよ」


「ひとりで暮らすの? 家のことはどうするの? お金は?」
 ママは怪訝な顔をした。
「これまでも、お婆ちゃんが仕事に出かけた時には、ひとりで食事を温めたり掃除をしたりしていたから大丈夫。お金なら、お婆ちゃんが貯めてくれていたのがあるから、それを使うよ」

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