水深800メートルのシューベルト|第1102話
それほど酸素残量に不安があるのだろうか? それとも騒ぎがあったというが、反乱に近いもので、命令で抑え込まないといけない類のものだったのだろうか? 僕はセペタに問いかけるような視線を送ったが、反応はなかった。
「では、この命令は一二〇〇より施行とする。いいな」
最後は士官らしく毅然とした調子で告げると、中尉はそそくさと出て行ってしまった。
セペタはロバートの真向かいのベッドにへたり込むようにして座り、頭を抱えた。
「おい、元気出せよ。後十二分喋れるじゃねえか。お前のお袋さんの話でもしてくれや」
ロバートはそう言ったが、セペタが相手をしないのでため息をついて、僕に目を向けた。