「あらそう。この子が次に母乳を飲んでくれるようなったら、食事に招待したいわね」
トリーシャは胸から口を離したこの背中を、軍務を中断してから丸みを帯びた手で優しくさすった。
「アシェル、あなたの奥さんの代わりにコーヒーを淹れるわよ」
叔母さんがキチネットに向かい、ガスコンロに火を点けていた。
「いや、僕がやりますから。こういうの慣れているんです」
慌ててついて行くと、ルースさんは手で制してきた。
「いいのよ。あなたはアメリカと妻子のために働いてきたんだから。アビアナ!」
彼女が大声で呼ぶと、アビアナが入って来た。
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