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水深800メートルのシューベルト|第670話
「じゃあ、ギャングで悪事を重ねていたのは本当なのか?」
また、胸がチクリと痛んだ。嘘をつこうかと迷ったが、ここは、正直に言った方が楽なように思えた。
「うん、友だちが入っていたから、僕も入らなきゃと思って……」
「アシェルってそういう奴なんだ」
どういう意味だろう? そう思ったが問い質す勇気はなかった。エウヘニオの憐れむような眼が、答えのような気がした。
「気にするな。ダカーリには嫌われているようだが、みんな訓練がきつくていらいらしているのさ」
そういうと、彼は食器を戻しにそそくさと行ってしまった。僕も、彼が大分前を行ったのを確認してから、ゆっくりと立ち上がった。