オリビアさんは、口を半開きにして、その手に触れた。
「アシェルを預かってもらって、何とお礼を行ったらいいか。こちら、私の職場のCEOのお友だちでして……」
ママは、コリーニさんの腰に軽く手を添えて続けた。
「ジョーンズの葬儀の手配やら、手続きを引き受けてくださったんです。彼、親しい身内がいなかったものですから。彼の住んでいた家も……」
「ああ、もう業者を手配しましたから」
コリーニさんは、簡単な仕事だという風に、軽く頷いた。
「今日、通夜でして、明日葬儀がありまして……。彼を見送る人が誰もいないので……ねえ」
ママは、おじさんに尋ねるように目を合わせていた。
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