「関わらない方がいいかなと思ったけど、事件に巻き込んで悪かったって、直接謝りたかったんだ」(と、メリンダは言った。)
「そんなの良いのに。もう済んだことだし」
僕は、メリンダの正面に立って、ボールを奪おうとした。彼女はドリブルをしながら素早いステップで僕の脇をすり抜けた。
「クロスオーバーよ」
彼女は自慢げに言った。
刑務所にいる間、何度か手紙を出した。しかし、返信は一度もなかったので、おばあちゃんのアパートを引き払って入隊する時、環境が変わることを知らせなかったのだ。そのことを今、思い出した。
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