水深800メートルのシューベルト|第465話 4 吉村うにうに 2023年2月23日 16:33 時が止まったように沈黙が流れると、彼女は大きく息を吸い、元の笑顔に戻して言った。「何でもないの。映画が始まるよ、行きましょう」「え、どんな映画観るの?」 彼女は、答えず僕の手を引いて、先へ先へと歩いて行ったので、それ以上彼女のママについて聞けなくなってしまった。母親思いのいい子だという風に言ったお爺さんの言葉と、彼女の表情が合わず混乱したが、彼女はそこに触れて欲しくないと思っているような気がして、僕は彼女の手に引かれるがままにしていた。 第464話へ戻る 第466話へつづく ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #小説 #連載小説 #長編小説 #連載長編小説 #潜水艦 4