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水深800メートルのシューベルト|第1071話

 セペタの言う通り、発令所に立ち寄ってみようと思った。僕なんかが海底から脱出できる仕事ができるはずもないと知っていたが、このまま、艦が浮上しないのはどういうわけか、手掛かりがないと不安だった。一体いつになったら原子炉は復旧するのか、それとも、もうしているのか。僕は、眠気とだるさに脚をふらつかせながら、艦の前方に向かい、照明を受けて鈍色に照らされているハッチをくぐり、話しかけやすそうな人を探すことにした。


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