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水深800メートルのシューベルト|第6話

 視界の右端には、セペタの顔。オリーブ色の顔に線を引いたような真っ直ぐな鼻筋。深く窪んでいる眼には焦燥と不安が浮かんでいた。その眼にすがりつきたい心持ちでいると、彼の左耳の後ろに、ベッドの仕切りであるグリーンのシートが眼に飛び込んできた。またグリーン。
「ヒイイッ」
 落ち着きかけていた呼吸が再び暴れ出した。「た、助けて」声にならない声を上げた。

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