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水深800メートルのシューベルト|第772話

「おい、早く降りて助けるんだ」


 消火活動をしていたはずのエウヘニオが、くぐもった声で指示を出した。僕は恐ろしさで一杯になりながら、ヘルメットとマスクを外して、一段ずつラッタルを降り始めた。下敷きになっていたフェルマンは首のあたりを痛めたのか、ヘルメットを外してそこに手をやって気にするそぶりを見せた。ダカーリが呻き声を発していたということは、気絶はしていない、まずはフェルマンの怪我を確認してからだ。そう思ってラッタルの一番下まで降りて、担架の傍に行った。


「びっくりしたぜ」


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