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うにっき帳 vol.19 |自分史編|ドレカツ丼(2)


はじめに

こんにちは。吉村うにうにです。「うにっき帳」のvol.19を掲載します。
「うにっき帳」は日記と銘打っていますが、①日記編 ②語彙増量編 ③自分史編の三部のいずれかを取り上げます。

今回は、「ドレカツ丼」の続きです。前回はこちら。

では、よろしくお願いします。


尚、内容の文章は常体で描いております。
日付は自分史編の場合、メインの事件が起きた日を記載しています。

   二〇〇一年夏頃 ドレカツ丼(2)

 もっと以前にも、自己選択をしたが、リサーチ不足で失敗をしている。通っていた大学の校舎の横にはカフェテラスがあった。二階建ての小さくて新しい建物で、二階で注文をしたと思う。

 ある日、そこで見慣れないメニューがあった。「味噌カツ丼」だった。トンカツは結構好きだったが、味噌だれのかかったカツは一二度くらいしか食べた事がなかった。それでもその数少ない記憶の中では、ほんのり甘くて濃厚な味噌だれの味が、トンカツソースとはまた違っていて、美味しかったと思う。それがカツ丼になっている。きっと旨いに違いない。そう思った私は早速注文した。

 カウンターから出てきた味噌カツ丼を見て、おやと思った。カツとご飯は予想通りだが、味噌だれの色がイメージとまるで違うのだ。私が知っていた味噌だれは、茶に少し赤みがかっているか、チョコレートの色を少し鮮やかにしたような色だったと思う。そういった色を期待していたのだが、そこにかかっていたのは明るい灰色、あるいは黄土色に近い液体だった。私はその色を見て嫌な予感に襲われた。これは美味しくないのではないか? 脳科学的に言うと、体の神経組織がソマティックマーカーを発動したのである。平たく言うと経験からくる警戒信号が体内で生じたという事だ。

 しかし、私が味噌カツを食べた経験は乏しく、私の警戒信号が間違っている可能性だってある。そう自分に言い聞かせ、席に着いた。

 まずは、食欲をそそらない液のかかったカツだけを一口食べた。え? 予想した味噌の味と全く違っている事に衝撃を受けた。強い酸味に舌が悲鳴をあげた。
 
 絶対に味噌じゃない!
 
 それとも腐っているのか? カツが乗っていれば料理が不味くなる事はない、そのような人生経験からの学びを、全てひっくり返された思いだった。
                     (つづく)

さいごに

今回から、本題に入りました。いかがだったでしょうか。皆さんは、味が予想と違いすぎて驚いた事はありませんか? もしあれば、教えて頂けると嬉しいです。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

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