後ろで病院のガラスの扉が開く音がした。
出てきたのは、お巡りさんのような制服を着たおじさん二人だった。そのうちの一人は、見覚えがあった。パパを無理矢理連れて行った人だ。その人たちが面倒臭そうな顔をしてドアから出ると、後ろからパパが車椅子に乗って出てきた。
「自分で歩けるって言ったろ?」
パパはまだ機嫌が悪そうでがっかりした。
「いいえ、規則ですから。病院から出るまでは」
さっきのしゃがんでいた人とは別の、赤紫の服を着た女の人が車椅子を押しながら機械のような喋り方をしていた。その横にはママが仕事で夜遅くなって帰った時のような顔で、何も言わずについてきていた。
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