「親父は、あんな風になったけどよ、小さい時には、毎週キャンプに連れて行ってくれたり、銃やナイフの使い方を教えてくれたりしてくれた。男の理想だったんだ。それをあいつは!」
彼(メイソン)が熱っぽく話すのを、小さく頷きながら聞いていた。
「でもさ、さっきはアシェルが止めてくれて良かったよな。あんな数学教師のお坊ちゃんなんて、街に出りゃ俺たちに身ぐるみ剝がされて終わりだろうけど、な」
バーナードが大きめの声で言うと「シッ!」とメイソンが睨んで止めさせた。
「余計な事を言うんじゃねえ!」
その凄みのある言い方に、バーナードはびくっと身を震わせた。
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