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服がダメならドレスを着ればいいじゃない

私には憧れの先輩が何人もいるのだが、そのうちの一人に”すれ違えば誰もが振り向くほどの美人”がいる。これはお世辞ではない、事実だ。
素がいいのはもちろん、彼女はセルフプロデュースが上手なのだ。
というのも、高校生の頃の彼女はメガネでスカート丈も規則を守っているような模範生だったし、正直人目を惹くようなオーラはなかった。知る人ぞ知る美人だったのである。
卒業してコンタクトデビューし、オシャレに目覚めてから、彼女は逢う度に美人度が増していた。

対して私は、ファッション雑誌も買わない流行遅れの限界オタクなので、どうしても自分のことは後回しになってしまう。15,000円の推しのDVDは気づいたら買ってるのに、同じ値段のワンピースは躊躇してやめてしまうといった具合だ。
仲良しのその先輩と話しているときだけ、普段眠っている女子力がアップして”そういえばかわいくなりたい”という気持ちを思い出す。

ところで、ちょっと前から話題になっていて、最近はじわじわ浸透し始めている”イメージコンサルティング”ってご存知だろうか?
簡単に言うと、「人はそれぞれ生まれ持った顔面や骨格、肌の色や目の色が違うので、似合うものも違います。より輝くために自分に合ったファッションを客観的に知りましょう」と、一人一人にアドバイスをくれるサービスだ。
オシャレな先輩は何年か前にいち早く情報をキャッチして、その時点でプロの診断を受けていた。さすが行動力の化身。

今回は重い腰を上げ、何年越しにやっとそのイメージコンサルティングとやらを受けに行ったときの私の備忘録だ。
が、まずはイメコンをまったく知らない人のために雑に概要を説明しておこう。

イメコンと総称しているが、顔タイプ診断・骨格診断・パーソナルカラー診断と、大きく分けて3つの軸がある。

顔タイプ診断…大人顔か子供顔か、直線的か曲線的かなどを総合して判断し、自分の顔にはどんなテイストが似合うかがわかる。なんか8タイプくらいに分かれる。

骨格診断…自分の体型を知る。似合う服の形、素材などがわかる。ストレート・ウェーブ・ナチュラルの3タイプに分かれる。

パーソナルカラー診断…似合う色を診断する。”ブルべ”とか”イエベ”とか(※正式名称は”ブルーベースの肌”と”イエローベースの肌”)、聞いたことない?春・夏・秋・冬の4タイプに分かれる。

※詳しくはご自身でお調べください。

20代前半くらいまでは着たい服を着て、それが似合っていても全然似合っていなくても若さゆえ許されていた。しかし私はもう立派なアラサー。年々、去年平気で着ていた服が着れない…という無慈悲な現象に悩まされることが増えた。
いよいよ観念して、仲良しの後輩ちゃん(ハシカン似)と一緒にサロンへ行ったというわけだ。

正直このイメコンとやらは、プロに頼むと(私にとっては)気軽に受けられる金額ではなく、ずっとWEBの自己診断だけで頑張っていた。だが、どうも納得がいかなかった。
というのも、顔タイプで似合うものと骨格で似合うものが殴り合っていたからだ。何を着てもしっくりこないのである。
※後にプロの診断を受け、そもそも自己診断が大幅に間違っていたと発覚するのだが。

プロの診断の前に、WEBでやった自己診断の結果はこちら↓
顔…直線×曲線が入り乱れた”子供顔フレッシュ”。
骨格…上重心の”ストレート”。
パーソナルカラー…涼しげな色やくすんだ色が似合う”ブルべ夏(サマー)”。

プロ診断の結果はこちら↓
顔…ほぼ曲線しかない”大人顔フェミニン”。
※骨格…誰が見ても100%ストレートなのでプロの診断は受けなかった。プロもそれに対して言及してこなかったので正解だった。
パーソナルカラー…ビビットな色や濃淡のコントラストが似合う”ブルべ冬(ウィンター)”。

はい、素人の自己診断なんて死ぬほどあてにならな~い!
先入観とキャラと曖昧な選択肢で生じる認知のズレ…自分のことを客観視できるわけなんてないんだった。
あと自分では目が細いと思っていても実際には丸いと判断されたり、そこのさじ加減はやっぱりプロにしかわからない。

以下、プロの言葉。

大人顔フェミニン
・どこ見ても丸いところしかない。強いていうなら鼻筋が通ってるから、そこだけ直線的?といえばそうかも。
・マスクすると印象変わるタイプだね。
・このタイプは面長だったり卵型の人が多いけど、あなたの場合は高さがない(つまり丸い)。でも輪郭ではなく、パーツの配置で見るの。配置が下重心ではない、かつ曲線だらけなので”大人顔フェミニン”です。
・大人顔なのでカジュアルなもの(安いもの)、曲線が多いのでマニッシュなもの(男性的、直線のもの)が苦手。女性らしさを意識した上品なものが得意。
・どうしてもカジュアルにしたいときは、デニムはダメージがない綺麗なシルエットで、インディゴなどの深い色にする。
・丈は基本ロングなもの。
・顔の曲線に合わせて髪はパーマが掛かっている方がいい。
・柄やアクセサリーは大振りで華やかなものをチョイスして。
・眉が直線的なので、もうちょっと曲線を意識して長めにすると馴染むかも。
・骨格ストレートが似合うとされる、ワイシャツやストライプ柄は正直似合いません。
・なので、花柄・レオパード・千鳥格子・水玉などの大きめの柄を選んで。
・フリルやレースなどのデザインを取り入れると、骨格ストレートさんは着膨れしちゃうので、縦のラインを意識したり、落ち感のあるもの、生地が柔らかいものを選ぶとGOOD。
・トップスは首回りが深く空いているものがいいですが、VネックよりもUネックの方がよいです。




骨格ストレート
・骨格ストレートさんはね、筋肉なんです。(うん、言いたいことはわかる)
・上重心の体型なので、胸のすぐ下に切り替えがあるハイウェストを着ると上半身に視線を集めてしまい、デブ(とは言ってなかった)になります。
・光沢のある生地を選んで。
・ニットならハイゲージ。モヘアやローゲージのゆるゆるニットは着膨れします。

ブルべ冬(ウィンター)
・濃いなら濃い、薄いなら薄い、コントラストがはっきりした色が似合う。
・ベストカラーはネイビー。
・ウィンターは唯一黒が似合うタイプ。モノトーンコーデもいける。
・赤リップにも負けない!
・白も純白が似合うから、もしウェディングドレスを選ぶときは参考にしてね!生地は光沢のあるサテンがいいと思います。(かなり力説された…笑)
・アクセサリーや時計はシルバー系、プラチナ系がベスト。
・朱色系、茶色系はちょっと…苦手だね。(やっぱり)
・初見はブルべ夏(サマー)かと思いました。
・もちろんブルべ夏(サマー)の色も選んじゃダメなわけではないです、似合わないことはないので。
・バッチリ似合う色じゃなくても、組み合わせでコントラストを出せばウィンターっぽく着こなせます!

…思い出せる限りのことは書けた、かな?

自己診断は間違っていたのだけど、やっぱり顔と骨格で殴り合っていることには違いがなかった。
顔に合わせると着膨れするし、骨格に合わせると顔が負ける…

でもプロのアドバイスを受けて、今まで疑問だったことがすべて解決した。

・多分ブルべなはずなのに、なんか肌が黄味掛かって見えるんだよな…と思っていたのは、自己診断でブルべ夏(サマー)だと思い込み、”くすみカラー”を選びがちだったのだが原因だったようだ。
ブルべ冬(ウィンター)の色を身に纏えば、自分でもびっくりするくらい美白に見えた。

・診断を受ける前は、後輩ちゃんと同じブルべ夏(サマー)なはずなのに似合う色が違うような気がしていた。同じ色のリップやアイシャドウをタッチアップしても、私の顔では全然発色してくれなかったのだ。
蓋を開けて見たらブルべ冬(ウィンター)だったので、そりゃ似合う色も違う。納得である。
※ちなみにオシャレな先輩もブルべ冬(ウィンター)だ。このタイプは美人が多いらしいという先入観が強すぎたせいで、自分がブルべ冬(ウィンター)である可能性なんて毛頭ないと思っていた。

・学生時代、「お前、ホントにジャージが似合わないな」と体育の授業の度に友達にディスられていたのだが、あの生地感といい、カジュアルなテイストといい、ダボっとしたシルエットといい、ホントに似合っていなかったのである。
本人は”極度の運動音痴キャラ”だからしょうがないと思っていたが、友達の目に狂いはなかった。

・貧乳だが貧乳には見えないと言われるのも、骨格ストレートのせいだ。側面が分厚いのである。幸か不幸か声楽をやっているので、楽器としては褒められる(共鳴する筒が立派だから)が、女性としては複雑なものだ。
あと一切運動していないくせに太ももがアスリート並み(泣)なのだが、それも骨格ストレートゆえだ。とにかくびっくりするほど筋肉がつきやすい。ふと力が入るとムキッとしてしまい、仲良しの先輩からは”女スパイ”と呼ばれている。
(骨格ウェーブさんの太ももを触らせてもらったら、ぽちゃぽちゃ柔らかくてかわいかった…)


まとめ(これから意識すること)

・女性らしさを感じさせるレースやフリルのデザインをワンポイントに。
・首回りをスッキリさせて、デコルテを見せる。
・シルエットはIラインで。
・ロイヤルブルーや純白、深紅など、モノクロか華やかな色。
・赤リップはマスト!
・フォーマルなもの。カジュアルであっても綺麗めに。
・大振りで華やかなアクセサリーを買う。
・ちぐはぐな顔・骨格・色だが、唯一共通しているキーワードは”高級感”、”上質”、”上品”。
…なんてこった、金のかかるオンナだ。

以上を鑑みると、バチバチに似合うのは”ドレス”ではないかという結論に至った(暴論)。

なるほど、私は女王だったのである(スーパーポジティブ)。
コンサートで人よりドレスを着る機会が多いのは救いだと思おう。


ちなみに一緒に行った後輩ちゃんは、かわいいを1箇所に封じ込めたみたいな子だ。

顔…かわいい代表、子供顔キュート。
骨格…上半身が華奢なので、ぶりっぶりのフリルやレースが着られるウェーブ。
パーソナルカラー…儚げなくすみカラーがよく似合うブルべ夏(サマー)。

すごい!すべて統制が取れていて、顔に似合うものを着れば身体にもフィットするタイプだ。
子供顔なので、カジュアルなものでもペラペラな生地でも違和感なく着こなせるそうだ。
(本人は「安上がりなオンナです♡」と謙遜していた)

私からしてみればないものねだりで羨ましいのだが、もともと彼女はシンプルで上品なスタイルが好きなので、「私って、ぶりっぶりでメイド服みたいな格好が似合うんですね…」と落ち込んでいた。
でも脳内で淡いカラーのメイド服を着せた彼女は、めちゃめちゃかわいくて天使だった。これを機にちょっとその要素を取り入れてみてほしい気もする。

こんな風に雰囲気が真反対な後輩ちゃんと私だが、何故か人になめられやすいという共通の悩みを持っている。
診断中に笑ったのが、私が大人顔だという理由で「初対面で怖く見られちゃうでしょ?」と聞かれたことだ。
私「いや…?(なめられた記憶しかない)」
後輩「いや…(なめられているのを見たことしかない)」

顔も骨格も似合う色もなめられる要素が0と判明した今、それに関してはより謎が深まってしまった。
似合う格好をしていないからなのか、はたまた滲み出るクソ雑魚オーラのせいなのか…?


診断を終えて…

私「すべての結果を総合してみると、私に一番似合う服はドレスってことにならない?(迷走)」
※後輩ちゃんはいつもコンサートに駆けつけて来てくれるので、私のドレス姿をよく知っている。
後輩「なります!だってロイヤルブルーの布を当ててたとき、ドレス姿が目に浮かびましたもん~♡ロイヤルブルーが似合うなんて、もう王室じゃないですかぁ!」
褒め上手である。

調子に乗った私「日常的にドレス着るためには…クイーンになるしかないね!」
メイド服がバチバチに似合う後輩「はい!喜んでお仕え致しますわ、女王様♡」


どうやら私は輝くには金のかかるオンナらしいので、お財布的にすぐには変われないのが残念だが、次にショッピングに行くときはこの結果を参考にしよう。
アラサーとして恥じない格好で、推しのために女を磨くのだ。

とりあえず15,000円のワンピースくらい、(オタグッツ感覚で)ポーンと買えるようにならないといけないんだわ…だって私、クイーンなんだもの。
※クイーンはオタグッツなんて世俗的なものは買いません。失格!



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