ハイド氏の夕食会
黙々として二人は階段を上り、
これがおれの隠蔽したハイドだったのか、
鍵穴からのぞく弁護士。
そして相手が隠れかえす隠蔽したハイドだったのか、
長い不在の後、
どちらが本人か、たがいに探りあう。
思いがけずほんとうにハイドだったのか、
ふいのハイド氏の夕食会。
角灯を消して、隠れたらこちらからのぞく弁護士。
ほんとうにハイドだったのか。
どちらが本人か、たがいに探りあう、
ふいのハイド氏の夕食会。
ならば、閉めきったのか、
ふいのハイド氏の。
自宅で催されたらこちらも隠れかえすおれの隠蔽したハイド氏の夕食会、
思いがけずほんとうの。
思いがけずほんとうにハイド氏の夕食会。
それともジキルだったのか。
自宅で催されたら隠れたらこちらも隠れかえす隠蔽の日々。
長い不在の後、
戸口の円柱に寄りかかる小男。