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Agree withとAgree toの使い分けはけっこう深い

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中学生や高校生の頃に習った時に疑問に感じたものの、その後数十年間解決されないまま現在に至っていることはたくさんあります。agree with と agree to の使い分けもその中の一つです。

先日、図書館から『これでいいのか大学入試英語』という河合塾の英語科の先生方が執筆した本を借りてきました。実は私も上下巻持っていたのですが、引っ越しを重ねるうちに、いつの間にかどこかに消えてしまいました。既に絶版になっているようです。

パラパラとめくっていたら、まさにその問題が指摘されていました。上智大学で出題された問題のようです。

'I don't think people should smoke on trains.'
'I agree (     ) your opinion.'
to  / by  / with /  in

ここでは不自然ながらもwithが正解とされています。同じく上智大学で次の問題が出題されました。

(       )  a certain extent, I agree to his opinion.
 about  /  at   / in  / to

となると、はじめにとりあげた問題でも、出題者はひょっとしてtoを正解のつもりで出題していたのではないかと思いたくなるのである。
受験参考書などではよく間違って"agree with 人"   /  "agree to 物や事"と書いてある。それでも上智大学を受ける学生なら、agree with とagree to の正しい使い方を知っている可能性も高い。
しかし前年度までの問題を研究している受験生はどちらを答えるべきか迷うに違いない。

(上巻、p.133)

私も「agree with 人、 agree to 物事」の説明が載っている英文法の参考書をたしかに使っていました! それを鵜呑みにしていたものの、ネイティブが書いた英文を読む機会が増えるにつれ、「agree with 物事」を高頻度で見かけていました。そこであるときから「~に同意する」という意味のときはもっぱら「agree with」を使うようにしました。

『これでいいのか大学受験英語』では、

agree with は「人・説などに同意する」という意味で使われ、agree to は「許可を与える/計画などを認める」という意味で使われる

と解説されています。しかしながら、こういうときにこそ、ネット検索や英英辞典を使うべきなのかもしれません。

いくつかのサイトを調べた結果、agree withとagree toの間は同意の程度の違いが暗示されており、agree with >agree to>agree onというニュアンスがあるようです。これは前置詞そのものが持っているイメージに近いですね。

また、agree toは「提案や計画を受け入れる」という意味で、agree with は「人に同意する、誰かの発言、意見に同意する」という意味で使われると説明されています。

Cambridge Dictionary

ところが、ネットで"agree with your plan"で検索すると、使用例がたくさん見つかります。

英語の文法で困ったときに私がよく参照させていただいているWordreferenceforumでも、この使い分けの質問がたくさん見つかります。

2017年にKifbenderというアメリカ人が寄せた回答が分かりやすいので、ちょっと見てみましょう。

https://forum.wordreference.com/threads/agree-with-to-on-a-proposal.2509392/

Agree with a proposal:提案に対して完全に同意
Agree to a proposal:提案に対して少し妥協する必要があるが、概ね同意
Agree on a proposal:提示された複数の選択肢があって、そのうちの一つを選び取る

やはり前置詞のイメージ通りですね。私も今後はこれで使い分けていこうと思います。もっともagree onに遭遇する機会は法律や契約の文書などに限られると思いますが。

皆さんも中学生や高校生の時に抱いた素朴な疑問がそのまま残っていませんか? 初学時に感じた疑問ほど、意外と深い話に繋がっていったりするものです。これこそ「温故知新」ではないでしょうか。

ここまでagree with とagree toを学んだ上で、もう一度上智大学の入試問題を再確認してみましょう。

(       )  a certain extent, I agree to his opinion.
 about  /  at   / in  / to

ここではなぜagree toなのか、皆さんはもうおわかりいただけましたね。


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