酒知識編🥃グレンリベット蒸溜所解説

どうもみなさま、おいたんです。

今回はお酒の知識編という事で、私がウイスキーを好きになるきっかけになった「ザ•グレンリベット」
の、グレンリベット蒸溜所を解説していきたいと思います。

実はザ•グレンリベットは、世界で1番売れているシングルモルトウイスキーでして、スペイサイドを代表するウイスキー。
もしかすると、一度は見たことがあるウイスキーではないでしょうか？
有名すぎて、スーパーにもよく置かれているのを見かけます。
また、現在Netflixでやっている「地面師たち」の第一話でもオールドボトルの20年物が登場した事で話題にもなりました。

そんなザ•グレンリベットですが、名前の由来は、ゲール語で静かな谷を意味します。
文字通り静かで、隠れやすい谷などがあることから、密造時代には多くの蒸溜所がありました。
今回紹介するザ•グレンリベットもその一つです。

まずは歴史からお話していき、この蒸留所ならではの特徴を見ていきます。

それでは早速いってみましょー！

グレンリベットの歴史は1824年から始まったとされています。それは、初めての政府公認の蒸溜所となったからです。
実際にはその前から、密造をしていたのですが、正式に歴史に名を刻んだのがこの時になります。

この、初めてのというのは文字通り一番最初という意味で、1823年に酒税法が改正されたその翌年の1824年にスコットランド初の政府公認蒸溜所となりました。

しかしながら、当時はまだまだ密造者が多く、さらにはこの新しい酒税法に反対するものも多くいました。そんな中グレンリベット蒸溜所は政府の公認を受けた為、裏切り者だと周りの人間からの圧力や、最悪命を狙われかねない状況だったと言います。

それでもウイスキーを作るんだと強い気持ちだった創業者のジョージスミスは2丁の拳銃を常に携帯していたと言われています。
ちなみにこの拳銃は、政府公認になる様説得した土地の有力な貴族から贈られたものだった様です。

時間が経つにつれ、グレンリベット蒸溜所の作るウイスキーは品質の高さから評判になっていきます。

しかしながら、またここで問題が発生します
この評判にあやかろうと、他の蒸溜所もグレンリベットの名前を勝手につけ始めたのです。

それは許せないと、法的に訴える事にしたジョージスミスは見事裁判に勝つことができたのですが、あれやこれやの方法でグレンリベットの名前を使おうとする蒸溜所は絶えませんでした。

そこで、我こそが本物のグレンリベットだと主張するために、THEの定冠詞をつける事になりました。
ですので、ザ•グレンリベットと呼ぶわけですね。

ちなみに、かなりレアですが古いウイスキーボトルを取り扱うお店にならグレンリベットの名前にあやかっていた時代のものが見つかるかもしれません。
探してみるのも面白いかもしれませんね。

以上がザ•グレンリベットの持つ歴史でした。
自身に危険が及ぶかもしれないながらも、ウイスキーを作り続けたおかげで私たちは今、このお酒を楽しむことができています。感謝の念が絶えませんね！

それでは、お次はザ•グレンリベットのウイスキーの製法を見ていきましょう。

実は、操業当初から変わらず昔ながらの製法を守り続けています。

まず、仕込み水ですがジョシーズウェルの湧き水を使用しています。
この水は中硬水で、ザ•グレンリベットの生み出す、独特なフルーティーな香りを引き立てる役割を果たしています。

一般的に、軟水では柔らかくクリーンで、女性的な酒質になり、硬水では逆に荒々しく男性的な酒質になります。
使用している仕込み水は中硬水なので、クリーンな酒質ながらも香りを蓄えたウイスキーを作ることができるというわけですね。

ちなみにですが、
一般的に発酵スピードが早いと男性的な酒質になり、ゆっくりだと女性的な酒質になります。
このスピードは酵母とミネラルの関係が要因で、酵母がミネラルを栄養源としており、栄養素が多ければ酵母の活動も活発になる事から発酵のスピードが早くなります。
この発酵という工程はとても奥深いので、今後深掘りした内容を記事にしたいですね。

話を戻しましょう。
この仕込み水を加えられた麦芽に酵母を加えて発酵させていくのですが、ウォッシュバックと呼ばれる発酵槽で行われます。

発酵槽はステンレスか、木製の物のどちらかが使われるのですが、ザ•グレンリベットは木製を使用します。

木製を使う利点として、保温性と常在菌の存在があげられます。一つずつ見ていきましょう。

まず保温性ですが、言わずもがなステンレスよりも木製の方が良いです。
もちろんステンレスも保温性を保つ為に機械で管理をしていますが、木製は元々の素材の力で熱の発散を抑えることができ、温度をある程度一定に保つことができます。

温度は発酵の工程でとても大事なことで、低くなったり、高くなりすぎてしまうと、発酵の過程で生み出す理想の香味を作ることができなくなってしまいます。
その為、保温性のある木製のものを昔から使用していたんですね。

もう一つの常在菌とは発酵槽にいる菌のことを言います。
木製の発酵槽は使用し続けるにつれ、タルの中に乳酸菌や独自の微生物が養われていきます。
この菌たちが発酵に作用をもたらし、その環境に由来する独自の香りを生み出しています。
場所が違えば、微生物などの種類も違います。
木製の発酵槽を使用する蒸溜所では、全てが唯一の香りを生み出しているという事ですね。

最後に蒸留の工程で特筆すべき点を紹介します。
それはポットスチルの形状です。

ザ•グレンリベットではネックの長いポットスチルを使用しています。
この特徴的な形のポットスチルによって、クリアで洗練されたウイスキーを生み出しています。

ネックの部分が長いということは、通常のポットスチルよりも、蒸気が当たる面積が大きいことを意味し、またネックの部分は出口の部分に当たる為、必ず蒸気が通る箇所となっています。

当たる箇所が多いとなぜクリアなウイスキーになるかと言うと、ポットスチルは銅ででており、熱された蒸気が銅に触れる事によって化学反応を起こし、不快な香味成分や油分を落とすからで、結果フローラルな香り成分をより多く取り出すことが出来るのです。

その後出来上がった液体をバーボンの空樽にて熟成され、静かに世に出る為の大切な時間を過ごします。

こうして、華やかな香りを宿したウイスキーを作り上げるザ•グレンリベット蒸溜所はスペイサイドを代表する蒸溜所となったのです。

以上でザグレンリベット蒸溜所の古から伝わる伝統的な製法をご紹介しました。
長い歴史の中で行われていた製法が今も変わらずそこにあると思うととても感慨深く思いますね。

それではそんなザグレンリベットのフラグシップウイスキーを見ていきましょう。

ザグレンリベット12年です
色は鮮やかなゴールド
美しい輝きに見惚れていると青リンゴや洋梨の様な香りがかおってきます
惹かれるように口に含むと重すぎずライトな印象かつフルティーな中に、はちみつやバニラの様な甘みを感じることができます

このウイスキーはどんなシーンにも合う事が出来ます。食中酒としては勿論のこと、食後に一杯もいけちゃいます。
その時はストレートがおすすめです。
程よいアルコール感とスムースな口当たりが、食後の満腹感と相まって幸せへと導いてくれます。
なんだったらデザートのアイスクリームに少量垂らしたって美味しいかもしれませんね！
自分なりの楽しみ方を是非見つけて下さい！

以上でザグレンリベットの紹介を終わりたいと思います。

今回お酒と、その蒸溜所を紹介したのは皆様のお酒への解像度を少しでも上げる手伝いができたら良いと思ったからです。
家飲みや、外で飲むときに「そういえばこのお酒はこんな作り方をしていたからこんな味がするんだ！」と思えたら、いつも飲んでるものだとしても、また違った楽しみ方ができると思いませんか？

知識なんかなくたって美味しいものは美味しいし、楽しいものは楽しいでしょう。
ですが、一度この楽しみ方をしてみていただければ、楽しみの幅は間違いなく広がるかと思います。
知識は最高のスパイス
嗜好品と共に過ごす時間をよりリッチにしてくれます。

素敵なウイスキーライフを送れます様願っております
それではまた次回でお会いしましょう

ありがとうございました！