0009 A-side 百物語の怪談史
1.百物語とは 百物語という怪談形式がある。自ら参加したことはないとしても、言葉だけは聞いたことがあるという方は多いだろう。何となくのイメージとしては、真っ暗な部屋の中で、数人が車座になって座り、1話ずつ怪談話を披露していく。時刻は夜がいいだろう。あらかじめ蝋燭を百本用意しておき、一話語り終えるごとに、一本ずつ蝋燭を吹き消してゆく。百話語り終えるのは、きっと明け方近くだ。いよいよ最後の一本となった蝋燭が、ふっと吹き消された時、世にも恐ろしい怪異が起こる。まさに「怪を語れば怪至