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#003:ROS1陽性子宮頸部原発混合型小細胞がん 熱意こそが道を拓く

 はじめにお断りしておきます。

 今回ご紹介する個別相談の内容は、肺がんの患者さんのお話ではありません。

 子宮頸部原発の混合型小細胞がん、特殊なドライバー遺伝子変異陽性で、分子標的薬を使用することにより一時期はかなりいい状態まで回復された患者さんです。

 ご主人からのご相談でした。

 非常に稀な(とはいってもそれは我々医療者にとっての印象であり、患者さんとご家族にとっては稀かどうかなんて関係ありません)ご病状で、本人も家族も担当医もおそらく暗中模索を続けている中で、ご主人が多方面に駆けずり回っているさなかに、私が運用しているブログに行き当たったようです。

 ブログ上でご相談を頂き、これは簡単には答えられない、ということで、まだ本格運用をしていない時期でしたが、セカンドオピニオン・個別相談としてお引き受けしました。

 ご本人、ご主人、担当医を核として、本当に様々な方がご主人のエネルギーに引きずられ、吸い寄せられて、治療のきっかけにようやく指先がかかった、という印象を受けます。

 決して平坦な道のりではなかったはずです。

 ハッピーエンドでもありません。

 けれど、患者さんとご家族の熱意こそが、医療者を動かして突破口をこじ開ける、というひとつの事例として目を通していただき、糧にしていただければと思って掲載します。

 たまたま別の子宮体部原発混合型小細胞がんの患者さんに直接かかわることがあり、久しぶりにご主人にご連絡させていただきました。

 既にご本人はお亡くなりになったとのことでしたが、相談内容の公表についてご快諾を頂きました。

 このエピソードが、みなさんの背中を力強く押してくれることを願っています。


ID:19-002
① 年齢:40代
② 性別:女性
③ 職業:非公開
④ 喫煙:非公開
⑤ 合併症:非公開
⑥ 出身地域:非公開
⑦ 居住地域:非公開
⑧ 症状:非公開
⑨ PS:非公開
⑩ 病理:小細胞がん+腺がん
⑪ 他臓器転移:なし
⑫ 診断時病期:IIB期
⑬ 胸水:非公開
⑭ 遺伝子変異:GOPC-ROS1融合遺伝子
(小細胞がん成分から)
⑮ PD-L1:不明
⑯ 経過:限定公開
⑰ 質問:限定公開
⑱ 管理人の回答:限定公開

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