夢 閉館時間
少し寝て、夢を見た。図書館の閉館の音楽が鳴ると、周りの皆は慌ただしく帰り始めて、淋しい気持ちになった。僕が英和辞典をスクールバッグに詰め込んでいると、後ろでクラスメイトの男性と知らない女性が会話している声が聞こえた。「髪伸びたね、そのまま伸ばしてほしいな」とか、「いい色だね」とか聞こえた。僕は血の気が引いてくるのを感じて、自分の指が震えているのを見た。辞典の数ページをファスナーが噛みそうになって、中身を鞄の中に押し込んだ。
彼が褒めていた女性はどんな人なんだろうと気になって仕方なかった。結局、彼女は人混みの中に行ってしまったようで、わからなかった。
帰る人たちの波が落ち着いてから、僕も帰ることにした。1人で階段を降りていると、中学の頃の友人に出くわした。僕はその微妙な距離を保つ友人に、適当な挨拶をして別れた。
淋しい夢だった、我慢の夢だった
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