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旅先喫茶

せっかく大阪に行ったのなら、たこ焼きを食べればいいのに。串カツを食べればいいのに。
せっかく京都に行ったのなら、おばんざいを食べればいいのに。宇治抹茶の甘味を食べればいいのに。
それでも私は喫茶に行きます。

誰も自分を知らない地で訪れる喫茶もまた、ドキドキ落ち着かないようでとても落ち着くのです。


○マリ亜ンヌ(京都)

ソーダパフェと卵サンド

住宅街にひっそりと建っている。
遥々札幌から京都へ遊びに来たけれど、果たして私は本当に京都に来たのか?と実感が湧かないほどに普通の住宅街。
でも決定的に違うのは、道の狭さ。
建物同士がぎゅっとくっついて並んでいる様子に旅先特有の非現実感を感じてうきうきした。
少しだけ、自分が京都で暮らしていたら…と妄想して歩いてみたりするのが好きだった。

おじちゃんおばちゃんがタバコを吸いながら新聞を広げてコーヒーを啜る、そんな古き良き喫茶店のメニューに、ポップで可愛いソーダパフェが存在するの、とても異質でとても良い。

卵サンドの卵は、焼きたてのだし巻き玉子で美味しかった。


○シーシーズ(京都)

窓辺の席
ケーキずらり

『ケーキが可愛い!』という理由で、インスタグラムで下調べをしてから向かったシーシーズさん。
想像とはいい意味で違う、入店後すぐに当たりくじを引いた気分で席に着いた。
『映え』なお店かと思いきや、実はおばあちゃんがせっせと営んでいるこじんまりとしたお店だったのです。
『おいでやす』と迎え入れてもらったのは初めてだったので、旅の醍醐味をここで実感。
ショーウィンドウに並ぶケーキについて『これは○○で〜これは○○。若い人に最近人気はこれ。』と親切に説明してくれる時間がとっても楽しかった。


○純喫茶アメリカン

ホットケーキ
オムライス


道頓堀の人酔いの果てにたどり着くオアシス。

程よい音量の談笑や生活音が心地よくて、ついつい長居してしまってごめんなさい。

店員さんの制服が可愛くて、いつか着てみたいとこっそり妄想する。

一歩外に出ればキャッチのガングロ兄さんが徘徊する世界、中に入れば美味しい匂いと干渉し合わない平和な人々だけでできた世界。カオスな大阪、外も中も別に嫌いじゃない……。むしろ好き。

キャッチの兄ちゃんは意外と、逃げるように無視するよりも、ひとりの人間として『今は大丈夫です、結構です。』という意思を教えてあげた方がスッキリと諦めてくれるので、やっぱり対・人間なんだな〜と学ばせてもらった。

学びの街・難波。

松竹座に行くためでしかないと思っていた頃の気持ちからアプデされ、今後は敢えて病みつきになったカオスへ飛び込みに行くかもしれない……。


○and.cafe(大阪)

贅沢なモーニング

旅の間、野菜をほとんど口にしていなかったことに気付き、カラフルな野菜に惹かれてひとりで駆け込んだカフェで食べた贅沢モーニング。

綺麗なお姉さんが、サラダに使われたこだわりの野菜について親切に説明してくれた。野菜は大好きだけど詳しくはないし、おこだわりもないような私のお子様な舌が、お姉さんの熱量に応えられるか心配になったけど、身体が求めていたビタミン、吸い込むようにとても美味しく頂いた。

目玉焼きかオムレツを選べたり、普通のトーストかレーズントーストを選べたり、自分で選ぶのって楽しくて得した気分だった。


○珈琲艇キャビン(大阪)

ポパイサンドとクリームソーダ
そびえたつアイス


わくわくする階段
船モチーフ

前日のライブの余韻をひきずりながら、朝から何も食べずに彷徨った猛暑の大阪。

暑くて削がれた食欲にまで勝つ、私の喫茶欲は恐ろしい。せっかく来たんだから……と、ずっと行ってみたかった喫茶店を目指す。

名の通り船のような作りになったお店、船舶用の丸窓から川が見えます。

ご年配のおふたりで営まれている静かな店内で1つ意外だったのが、注文も支払いも、座席からスマホで行うという最先端な技術を取り入れていたことだ。

スマホに依存した若造ですら、これでいいのかな…これで大丈夫かな……とあわあわしながら注文したのに、それを使いこなすおふたりの心のタフさに失礼ながら感心した。

そびえたつビルのように無造作且つ丁寧に盛られたクリームソーダのアイス、真夏の暑さで短命だったけれどなんともいえぬ美しさ!

ポパイサンドは想像以上に大きくて、大満足の朝昼兼用ごはんとなり、心もお腹も満たせたわたしはこの後、名残惜しくも関西空港へと向かいました。


私の喫茶欲はまだ冷めることを知らないので、自由が効くうちに、また別の地で喫茶巡りをしたい所存………


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