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大好きな祖母が施設に入った話
生まれてから小学校1年生まで祖母と同居していた。祖母は料理がすごく好きで、野菜いっぱいの天ぷらとかおでんとか、片栗粉かホットケーキを使ったモチモチしたケーキを作ってくれた。
祖母の愛情を毎日感じて生活していた。
幼稚園に迎えに来てくれたり、プールまで付き添ってくれたり、ぼろぼろの自転車で2人乗りであっちこっち走ったね。
時々怒ってもくれたね。
本当に大好きだった。
両親が離婚することになって、引っ越すことになって寂しさで二人で大泣きしたね。
祖母の大粒の涙を初めてみた。
毎日一緒に過ごしたね、いつも私のこと気にかけてくれてたね。愛情をたくさん与えてくれてありがとう。
離婚してからも時々祖母には会いに行っていた。
でも、離婚前とは違う。暗くて、笑っている顔が痛々しかった。話の内容も暗くて、離婚したことを私の親以上に悔やんでいて、ずっと離婚したことを認められなかったね。
それを聞くのは小学生には辛かったんだ。
祖母の暗さを拾っちゃうんだよ。
離婚した辛さを思い出しちゃうんだよ。
年齢が上がるにつれてだんだん会う回数が減っていったね。
先月頃から祖母が認知症になり、施設に入ることになった。父と姉が祖母の家にいったらしい。
私はかわりたてた祖母を見るのが怖くて、会いに行けなかったよ。
ごめんね。
父と姉から聞いた話だと祖母は痩せ細り、言ってることが支離滅裂だったらしい。
姉のことはわかったけど、父のことはわからなかったそう。
私のことは覚えてくれていた、でも祖母の中にいる私は結婚して子育てをしているみたい。
ごめん、子供もいないし結婚すらできていないよ
ばあちゃんごめんね。
会いに行けなくてごめん。
施設には今度行くね。
プールのあといつもマクドナルドのポテトを食べさせてくれてありがとう。
プールから笑顔で手をふってくれてありがとう。
ばあちゃん大好きだよ。