愛犬家なら闘犬も好きに決まってるという不思議な世界観で成り立ってるゲーム、それがポケモン-ポケモンGOでPvP嫌いな人が結構たくさんいる件について

ポケモンGOのトレーナーバトル(PvP、対人戦)。

一昨年の末に実装されたときは、遠隔対戦は「親友」以上のフレンドとしかできないという仕様で、あとは、直接対面してお互いのQRコード読み取って対戦するかしかなかったので、まあ、一言で言うとめんどくさかったわけです。
だからやらないという人が圧倒的多数で、日常的にPvPを楽しんでる層なんて、全ポケGOユーザーの1%にも満たなかったんじゃないかと思います。ツイッターとかで検索しても、スペシャルリサーチのタスククリアのために仕方なくやる、とか、そうやってタスクと絡めて「やらされる」のがうざい、的な意見をたくさん見ました。ていうか今もありますよね。

そもそもトレーナーレベル(TL)が38以上じゃないとポケモンをフル強化できないとか、スーパーリーグとハイパーリーグの上限に合わせたポケモンの厳選とか、ポケモンの強化とわざ解放にかかるほしのすなのコストとか、PvPをがっつり楽しむのはなかなかハードルが高くて、基本的にPvPは、TL40以上の人のためのやり込み要素だと思ってました(それがGOバトルリーグの実装で多少様相が変わってきたことを受けた記事を書くつもりだったんですがそれは次回)。

自分は子供にポケモンGOやりたいとせがまれて、しぶしぶ始めたら自分がハマってしまったアラフィフのおっさんで、原作のゲームは一つもやったことがありません。
ピカチュウとかイーブイとかラプラスとか有名なポケモンの姿と名前くらいは分かる、みたいなところからポケモンの世界に入ったんですが、ポケGOってそういう中高年ユーザーがかなりの比率を占めてると思います。街中で、おじいちゃんおばあちゃんていう年齢の人が、スマホ持って画面叩いたりくるくるしゅってしたりしてる様子、ちょいちょい見ますよね、イン・ジャパン。
そういう人たちの多くにとっては、ポケGOって、子供や孫との共通の話題もできたりする楽しいお散歩アプリであって、複雑なタイプ相性覚えて(あくとゴーストがゴーストにこうかばつぐんで、ゴーストはあくにはいまひとつとかどういう理屈?)、わざの性能覚えて、ポケモンの種族値と個体値把握して、相性補完考えながら3体のパーティ考えて、シールドとゲージ技と交代のタイミング考えながら、3分前後のバトルに集中、なんて、普通に考えてキツいですよ。まさに無理ゲー。
まして、一人でもマイペースで出来るのがポケGOのよさだと思ってた人も多いのに、フレンド作って1カ月ギフトやり取りして「親友」にならないと遠隔対戦できないとか、対面の大会に参加しないといけないとか、人見知りっていうほど人見知りの人じゃなくてもキツいわけです。

いや、もともと原作は捕まえたポケモン育てて戦わせるゲームじゃん、面白いんだから攻略サイトの掲示板使ってフレンド作ればいいじゃん、ツイッターも使えばいいじゃん、って思う人も、PvP勢には多いと思うんですけど、原作プレイしてた・してる人でも、バトル部分はそんなに重視してなくて、ストーリークリアして、図鑑埋めて、色違い集めて、推しポケや、ゲーム内のキャラクター愛でてればオッケーって人も多いと思うんですよ。だから単にゲームとしてだけじゃなく巨大なキャラクタービジネスとして成立してしてるわけで。

考えてみれば、「もともと原作は捕まえたポケモン育てて戦わせるゲーム」っていうのもなかなか独特な世界観で、愛犬家なら闘犬も好きに違いない、みたいな前提で成り立ってるわけですけど、愛犬家だからこそ闘犬なんて好きじゃない、って人もいっぱいいると思うんですよ。
なので、お散歩しながらかわいいポケモン集めるゲームとしてポケモンGOからポケモンの世界に入った人がPvP苦手、嫌い、ってなるのもそんなに不自然なことじゃないと思うんです。
レイドバトルやジムバトルやロケット団バトルと違って、具体的に「相手」が「人間」、自分のポケモンが戦ってるポケモンを操ってる人間が画面の向こうにいるっていうPvPの感覚は、ジムやレイドにはない、ある種の生々しさがあるので、余計毛嫌いする人がいるのも仕方ないのかなと。

自分は幸いPvP実装時にTL39まで行ってて、普通にPvPにも興味持てて、対戦動画をYouTubeにアップしてる人たちのことを知って動画見て、面白!ってなった方なんですけど、PvPめっちゃ面白いやんって少数の人と、PvP嫌いまで行かなくてもめんどくさいって大多数の人の隔たりが激しいなと思って、どういう意識の違いなのかなっていうのを今回つらつら書いてみた次第です。

なので、PvP嫌い!やりたくない!って人は、一応ポケモンってもともと闘犬やりたいトレーナーになってプレイする設定のゲームなんで、原作の要素は一通りそろえようとしてるポケモンGOにPvPが「ある」こと自体はしょうがないって理解はしてあげましょうよって思います。

別に、現状PvPをやらないことで「損する」要素はあんまりないので、運営も言ってるように「好きなようにGOしよう」ってスタンスでPvPからは適当に距離取っとけばいいんじゃないでしょうか。今GOバトルリーグのリワードでしかもらえないズルッグとかもそのうち別の手段で入手できるようになると思いますよ。

逆に、PvPこんなに面白いのになんで全然普及しないんだって感じの憤りや嘆きを時折ツイートで見せてたPvP勢のみなさんは、原作だってレート戦ガチ勢なんて全体から見れば少数派だってことを踏まえて、闘犬前提なのに闘犬好きじゃない人も受け入れる懐の大きさがポケモンっていうゲームの良さなんだって思って、こんなに楽しいよ面白いよっていうのをできるだけ多くの人に伝えることに専念した方がいいと思います。

自分たちはGOバトルリーグ実装までの1年余り一生懸命打ち込んできたんだって自負もあると思いますが、せっかくGOバトルリーグ実装で一般ユーザー層もPvPやるようになってるのに、勝てなくて嫌だ、ほしのすな足りなくなるって嘆いてるそうした層の人たちの素朴な感想に対して、んなの甘えだ、昨日今日始めたやつが勝てるわけねーだろ、勉強しろ、努力しろ、捕獲して砂集めろってスタンスのツイートしても、それを見た人は「やっぱPvP勢怖い…」ってなるだけだと思います。

…うーん、ほんとは、こういう話するつもりじゃなくて、そんなふうなポケモンGOのPvPが、GOバトルリーグの実装でだいぶ盛り上がってきた中で、自分がもやもや気になってることを問題提起的に書こうと思ってたんですが、前フリが長くなってしまったので、今回はここまで。


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