ドン引きした話
夏至まであと2週間となった本日は6月7日。
6月に入ってから、仕事では既に半袖のワイシャツで働いている。
私の働く業界では真夏でもビシッとスーツを着込む人も多数いるのだが、彼らを心底尊敬する。
半袖でも汗が出るのに、真夏にスーツと長袖ワイシャツだなんて到底私には耐えられない。
何より私はそもそもスーツが嫌いだ。嫌いなのに社会に出てからずっとスーツを着ている。
とにかく動きにくいし、シワや汚れを気にしなければいけないのが理不尽に感じて仕方がないのだ。
理想は作業服かスウェットだ。スーツじゃ無ければ物理的に不可能な仕事などないのだから、スウェットで働ける世界線がいつか来る事を願って止まない。
今回のタイトルは「ドン引きした話」であるが、私は基本的によほどの事でもない限り引いたりしない。
特に喜怒哀楽の「怒哀」についてはピクリともしない。
そんな私が過去に体験した「ドン引きの話」を幾つか挙げたい。
夫婦交換
詳細は伏せざるを得ないのだが愛媛勤務時代の話。
とても住みやすく最高の街愛媛。しかし、その表の顔と裏腹に不倫しているカップルはめちゃくちゃ多い。
田舎ほどそんなものなのかも?と言われるが、まさにそうだろうと思う。
ただ、不倫ごときではドン引きしたりはしない。梅雨時の雨くらい当たり前に起こることだ。
ただ、私が引いた話はもっと過激だった。
スワッピングである。
知り合い同士の2組の夫婦が、定期的に四人同意のもとでパートナーを交換して一夜を過ごしていると聞いたのである。
「え!?は!?」
耳を疑ってしまったのだが、事実そうしている者が身近にいた。
勿論、犯罪ではないし四人ともが合意の上であるなら別に他人が口を挟むべきではないのだが流石に驚いた。
互いのパートナーを交換し、翌日からまた元のパートナーと暮らすのはどんな気持ちなのだろうか。
残念ながら私には「そっち方向」に倒錯した趣味はないので永遠に理解する事はないだろう。
食べちゃダメやと思う
これもまた性的倒錯の話。
まだ20代の頃、単発のバイトで交通量の調査をした事が何度かあった。
24時間の交通量を調査するのだが、交通量を測るのは60分のうち10分だけ。
10分測って、50分休憩するのを24時間続けるのだが当時の時給は1000円だったので実働4時間で24,000円貰える割のいいバイトだった。
毎回知らない人達と3〜4名で測るので、空いた時間はずっと話をすることになる。勿論仮眠を取ってもいいし、何をしてもいいのだが。
ある日、10歳くらい年上の男性と一緒に交通量を測ることになった。
かなり年上だし、色々人生経験も豊富だろうなというのは少し話しただけで理解できた。
男同士で話していると、話が下ネタになることも多いのだが、彼の口から出た言葉に私はドン引きした。
「なぁ、ウンコ食ったことある?」
あるわけないだろ。
「沖縄行ったことある?」くらいのトーンで質問するなよバカ野郎。
聞くと彼は割と普通に彼女のそれを食べているとのこと。そういうプレイスタイルなのだ。
彼曰く、それは空気に触れるから臭くなるだけであって、出口に直接口をつけて食べると臭くないんだとのこと。
だとしても、だ。それを知ったからと言って
「じゃあ食べてみますね!」
とはならない。
彼曰く、その行為は深い愛情の発露なのだそうだ。その人の体から生まれるもの全てが愛おしいらしい。
彼はとても誇らしげだったが、私は
「ただ変態なだけやんけ」と言いそうになるのをグッと堪えていた。
赤間神宮(山口県下関市)
前にも書いたかも知れないのだが、赤間神宮はドン引きというより背筋が寒くなった場所だ。
界隈では有名だが全国では全くマイナーな神社である。
ここは、壇ノ浦で一族郎党全員が入水自殺をして滅んだ平家一族を鎮魂している神社である。
壇ノ浦は下関にあり、赤間神宮からは程なく近い。
香川県高松市屋島での源氏との戦いに敗れ(この時活躍したのが有名な那須与一)平家一族がたどり着いたのが壇ノ浦だ。
もはやここまで、となった一族は幼子を抱えて崖から身を投げた。
「おのれ…源氏め…一族郎党末代まで祟ってやる…」
そんな最期だったのだろう。
その平家を埋葬した墓所も赤間神宮にある。
耳なし芳一が夜な夜な呼び出されて、琵琶を弾いた場所である。
勿論、赤間神宮には耳なし芳一の墓もある。
私は観光気分で訪れたのだが、平家の墓所があるあたりに来ると空気が一気に張り詰めるのを感じた。
心から凍えそうな、絶望感のような気配があまりに強くて、恐ろしくなったのを覚えている。
赤間神宮を写した写真は、なぜかその数枚だけ全面灰色になっており、何も写っていなかった。
明らかに「長居してはいけない」と感じたので、そそくさと赤間神宮を後にしたのだった。
興味がある人は行ってみても良いとは思うが、明らかにその辺の心霊スポットとは桁が違う何かがあるので、ふざけたり、石を持って帰ったりは絶対しないよう気をつけて欲しい。
とりあえず、今回は三つ書かせていただいたが、まだ面白い話があれば第二弾をいつかお届けしたい。