あぶら

徒然と、筆のおもむくままに書いてます。怪異は忘れやすいので、思い出したときにぽつぽつと。

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最近の記事

徒然と怪異 自動ドア

アニメ呪術廻戦を見て、思い出したこと。 住んでいるマンションは幾つか自動ドアがあり、セキュリティが結構厳しい。一番外に面した自動ドアのうち一枚は、越してきてから暫くして、不調を来たしたようで、何度か修理の業者が来たあと、いつのまにか貼り紙を貼られ、数ヶ月ずっとロックをかけられたままになっている。 その、「故障のため締め切っています」と貼り紙をされた自動ドアが、時折、開いているのだ。 最初は握り拳くらいで、掃除でもしていて開けたのかなと思った。 次はそれよりももう少し広

    • 徒然と怪異 非常口の女

      住んでいるマンションは、廊下の突き当たりに非常口がある。 すりガラスの窓がついた非常口。 越してきた初日だったか、数日後だったか。一応、非常口と非常階段を確認しておこうと思いたち、部屋を出て、非常口へ向かった時のことだった。 女が立っていた。 すりガラスの向こう、やけに扉に顔を近づけている。茶髪。赤茶だか、ピンクブラウンだかわからないが、そういう色の上着を羽織った、中年か初老の女性。すりガラス越しで、なんとなくではあるが、満面の笑みで、覗き込むようにして立っていた。