お前と出会うために作品を作っているわけではない。それを肝に命じておけ。
ここで、作家・作品を愛でるルールを改めて確認しておきたい。
作家・作品を愛でるルール
■DMはしない(褒めコメントは公の場でしよう)
■作家の生活に侵食するようなコメントは控えよう(気持ち悪い)
■作家・作品にお金払った=DMする権利ではない(公の場で良いよね)
■作家・作品にお金払った=会える権利でもない(作品は握手券ではない)
■在廊=あなた個人とのマッチングの場ではない(その他大勢である自覚を持とう)
■自分を特別視しない(あなたはその他大勢です)
■そもそも、作家・作品の「好き」と、恋愛対象としての「好き」をこじらせない精神を育もう。がんばれ。
※他にもあれば、お教えください。
みたいな話を、知人のイラストレーターから聞いた。
怖いなと思った。
件の男性も怖いんだけれども、それ以上に自分自身が、である。
この男性にいつとも知れず転がりかねない男の自分自身が怖い。
なんとなく…これからの社会は、個性の下に性別を紐づける性別観が望まれているように感じている。少なくとも、性別によるラベル分けなど望まれていないように思う。
私は、自分の性別を意識的に自覚しているし、他人の性別も、個性より先に認識している。
今のところ、そういう性別観から抜け出せずにいる。
いつか、異性の作品をダシに「作品のことを聞かせてください」とでも言いそうで恐ろしくて仕方ない。
それは、作り手にも、作品にも、無礼なことだと思う。
男根を切り落とせば、案外すっきりするのかも知れない。わからない。
…
知人曰く、こういうギャラリーストーカーは、結構多いらしい。
また、下心で買われた絵なら燃やしてもらって構わないと語っていたが、
他の作家が、少しづつ仕上げ、それに合う額装を選んだ、オンリーワンの作品が下心で買われるのはとても悲しいと語っていた。
いや、私も悲しい。
特にアナログ作品の場合、再現は不可能なので、悲しい反面、捨ててくれ...とも言えず、非常に複雑な心境のようである。
難しい。というか、そもそも下心で絵を買うな。
そして
「絵が売れることが必ずしも嬉しいことじゃないんだなー...」
とも言っていた。
そんな悲しい世界ある?
そんな中、ちゃんと絵を奥まで見てくれる人もいるそうなので、それだけが救いに思う。
…
他の男性にとってどうかは分からないが
作家・作品に触れるマナーの問題以上に、自分の性別を意識させられる問題だと思った。
この話を受けても、依然、私の性別観は成長しそうにない。
自分の未熟を言い訳に、許すべきでないと思うが、
成長を見守る余裕は世の中にあると信じている。
自分自身の性別観...性別の優先度が徐々に変わっていけば良いなと思っている。
そして、異性の作家にすぐ会いたがるこの男性も、どうか変わっていって欲しいと願っている。
作家が死ぬほどの思いで描いたその絵を、下心で買ったのだとしたら、その絵がとても矮小なもに思えてしまう。
それは、とても胸が痛い。