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夏休みの宿題

 今年の4月から長女が幼稚園に通い出した。
園の連絡帳にカレンダーのページがあって、登園した日にシールを貼るのがルールだった。
 園からの案内にはシールを貼る日の枠に親御さんが印を付けてあげておいてくださいと書かれていて、さらには単なる○とかでもいいですが、できればお子様の好きなキャラクターなどを描いてあげてください、と絵が下手な人には地獄のような要望が付け加えられていた。


 幸い我が家は夫婦共に絵を描くのは嫌いではないが、この件に関しては初日に妻がミッキーマウスの絵を描いたので、なんとなく妻が毎日描く流れになった。
 2日目はアンパンマン、次はすみっこぐらし、パウパトロール、トーマスと好きなタイトルを一巡した頃には妻はもうバテ気味だったのだが、今さら○だけにすると娘が悲しんでしまうのではなかろうか、さらには他の家庭がどこまでの絵を描いてるかが分からないので、みんな絵を描いてもらっているのに一人だけ○だとマウントを取られてしまうのではなかろうか、と余計な心配を張り巡らせ毎日凝った絵を描くという苦行をこなしていた。
 しかし、主要タイトルのサブキャラまで一巡したところでネタ切れを起こした妻の八つ当たりが目立つようになってきた。何度か妻にオレが描こうかと申し出たが、猪突猛進、亥年の妻はこういう時、嘴平伊之助くんよりも融通が利かない。私が描くの一点張りで譲ろうとしない。

 これ以上八つ当たられるのも嫌なので、絵本購入&読み聞かせ担当として僕が娘の気に入っている絵本を見繕うことを提案し、ネタ出しは僕、作画は妻という役割分担にした。

 しかし、絵本も一巡したので、ネタ探しのために家族で毎週図書館に通うことにした。
 図書館はネタの宝庫なのでネタには全く困らなくなったが、今度は娘の要望が爆上がりで五味太郎から働くクルマ、昆虫まで、複雑怪奇な絵柄を当たり前のように描けと言ってくる。

 そんな日が3ヶ月続き、妻が疲れ果てたところに、ようやくの夏休みである。あぁ、これでしばらく毎晩のお絵描きから解放されるわと前日の晩にお互いを労ったのだが、終業式を終えて娘が持って帰ってきたのは、夏休みの宿題というタイトルのA3二つ折りのカレンダーとシールのセットだった。まさかの大人への宿題。

しかし、ここでメゲないのがウチの妻である。連絡帳の枠がない分大きい絵も描きやすいわ、と空いてるスペースに描きまくり、ついに1ヶ月分描き切ってしまった。

このまま幼稚園に提出して返ってこないようなので、ささやかな記録として久しぶりにnoteに載せてみることにした

娘が本好きになってくれることを願うばかりの今日この頃です。
2学期も頑張れ!お母さん!


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