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[ゲーム感想]マッドマックス(PS4)
■マッドマックス(PS4)
入手価格 490円 ※TUTAYA1480円以下のソフト3本以上で半額
プレイ時間約 14時間45分
"狂気に満ちた世界"
トム・ハーディ版映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」をモチーフとしたゲーム。映画の前日章ストーリー。
オープンワールドな荒野の世界を舞台に、資材を集め、敵のアジトをつぶし、エリアを広げてゆく。
車はストーリーを進める中、ターボチャージャーや武装等、チューンナップを施すことでより強力になってゆく。
また、車だけでなく降車しての人物アクションも備わり、敵との格闘や、アイテム類を探し出すプレイが要求される。
荒廃した近未来の世界。家族を失い生きる意味を見失った主人公マックスは、広大な荒れ地を愛車のモンスターマシンを走らせ、目的のない旅を続けている。
暴力はびこる退廃した世界を生き抜くため、途中出会ったメカニックと共に車をカスタマイズ。主人公マックスは心の隙間を埋めるため、武装集団に立ち向かい、自身の生きる意味を探して動き出す。
V8への執念がほとばしる
ドライブゲームとして、挙動や他の車との攻防の部分は及第点。
大排気量の馬力を誇るモンスターマシンが唸るエンジン音。重鈍なヘビーマシンの挙動ではあるが、アクションとしては軽快に操れる。
基本的には、敵のアジトや敵車破壊でアイテム(スクラップ)を集め、本拠地の設備拡充や車をチューンアップしてゆく。チューンはエンジンや武器のパワーアップ、防御力強化等多岐にわたる。
オープンワールドの荒野を走っている途中に見つける敵車に突撃したり、ハープーン(ひっかける鉤爪)をタイヤや運転手に撃ちこんで狩ってゆく。逃げる敵車を追いかけ、次々と破壊してゆく所は、荒野をさまよい敵を探し求める復讐鬼の印象。
車を降りての格闘シーンでは、簡単操作で様々に技を繰り出すことができる。格闘の挙動も多彩で、勝手にかっこよくコンボが決まり、流れるように技がくりだせる。いかにも怒気を感じさせるアクション挙動で、敵を殴り倒す爽快感があり。
ゲーム画面からシームレスにムービーに移り変わり、意識を途切らせることなくストーリーを楽しめた。
やる気を削ぐ何か
格闘アクションの挙動は決して悪くないが、敵との対峙に奥行きがない。
基本的には△でカウンター。□でなぐるを繰り返しの数減らし。武器を持った敵は、ローリングで逃げてからやっぱり殴る。
スニーク性もなく、わっと数名に囲まれた状態で、いかにタイミングよくボタンを押せるかだけの格闘。
単調・退屈な音ゲーを思わせる。
映画の一番の売りともいえた、荒野をすっ飛ぶ車やトラックとの迫力あるチェイスシーン。
ゲーム内では、基本的には1vs1でのぶつかり合い。ハープーン(ひっかける鉤爪)をひっかけて壊す。その一連のアクションも淡泊。少なくとも映画の雰囲気を感じることはできない。
車から狙撃が出来たり、ハープーンが撃てるのだが、対象が決まっており、いつなんにでも使えるわけではない。狙撃は基本的には狙撃手を倒すだけ。ハープーンは、車の決まった箇所(バンパー、タイヤ、ドア、運転手)を狙うだけ。狙いをつけてハイライトされないと、そもそも使えない。狙撃対象に狙いをつけても反応がない場合、近づいて格闘で倒す相手だったりする。やってみないと分からないってのは、今時のゲームとしてどうなんだろうか。
今面白いと感じられない。今後も面白くなる気配がない
10時間以上プレイして、マップの開放度は1/3ぐらい。残りを計算し「ここでやめたい、続けたくない」の気持ちが勝った。
全体的には、拠点を一つ一つ地味に巡るドライブ&コツコツ作業ゲーム。
単調な割に広すぎ、多すぎの印象なので、もっと絞るか、一本道で演出バリバリの方が、映画物としてはより楽しめた気がする。
煮詰める時間がなかった仕上がりの雑さ。そして魅力ある題材を生かし切れていないもったいなさがビシバシ伝わる一作。
荒野をかけめぐるV8のモンスターマシンを操る感覚。そしてマッドマックスの映画観。
そこが好きなら楽しめる。
その他
・主人公の見た目が映画と似ていない
・ふわっと体が浮くだけのジャンプの存在意味がほとんどない
・対象物が近づくと消える、挙動がおかしい、画角から消える、その他小粒なバグあり。進行不可のフリーズは1~2度