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[ゲーム感想文]アサシンクリード ローグ(PS3)

■アサシンクリード ローグ(PS3)
入手価格 550円
プレイ時間約 20時間

"アサシン達よ、その信条は本物か"

1750年のアメリカ。若きアサシン、シェイ・パトリック・コーマック(以下シェイ)は、先駆者の遺跡”エデンの遺跡”を回収する任務にあたる。遺跡の影響で街は壊滅的な損害を受け、多くの罪のない人々が犠牲に。だが、教団は犠牲よりもテンプル騎士団との争いに勝利するための遺跡の利用を推し進めようとする。
大義のために犠牲をいとわない姿勢に疑問を持ったシェイは、さらなる悲劇を防ぐため、アサシンに別れを告げテンプル騎士団として生きる道を選ぶことになる。
裏切り者となり、自分の想う平和のためシェイは仲間だったアサシンを狩る”アサシンハンター”として、海・街を駆け巡る。
果たして、その大義は正しいのか。そして対立の行方はどこに・・・

・ここがPS3Verの到達点

前作からの海戦中心の演出、大まかには変わっていないゲーム機軸、現代編のファーストパーソン視点等、共通点が多数あり、登場人物こそ違えど続き物の印象がある。その中にあってアクションにおける細かな演出の向上が分かる。
特筆すべきは”波”と”風”の表現。前作でも表現そのものは見られたが、今作では波のうねりがかなり大きくなり、そこを生かしての攻防もできる。風に進路を妨げられ、波で大きく傾く船を操っての立ち回りなど、演出がさらに増し。楽しさが増加。前作である意味到達点と感じたが、まだまだ上げてくる地力のすごさ。
エツィオシリーズ3作品で、完成度を徐々に上げていったのと同じ感覚を、Ⅲ以降の新エンジンシリーズで感じた。

・テーマ”絶対悪はない”の到達点

前作では海戦中心となったが、今作では大きな都市もあり、地上戦とのバランスがとられている。
また、今作の主人公は、元々アサシンに属する主人公としてスタートするが、市民の犠牲をいとわぬ姿勢に反発を覚え、テンプル騎士団に属することになる。そうなると完全にアサシンが悪者にうつる。
立場が変われば見え方も変わる。歴史はその積み重ねであり、それは今も続いている。

・「悪魔だって台詞は聖書から引用できる」

単作で見て、これまでのシリーズと比べてもなんか掴みにくいストーリー。ⅢやⅣに出てくる人物の登場など、熱い展開も楽しめるが、果たして最終的に何を目指しているのかわかりにくい。
現代編に至っては、ただの使い走りで、登場人物の主体的な行動は一度もなかった。なんか最後にあたしたちテンプルなの~、みたいなネタバラシ演出もあったが、それまでの絡みが薄く「っていうか誰?」の印象。

PS3の最後なので、もう少し締めくくりを感じさせてくれると思ったが、さほど回収も感じず、次へ続くの見せ方は過去作のリフレインのよう。さすがに初作からプレイしてアサクリのストーリー展開に期待はしていない。
アクションゲームとしては十分なので、気にならない人には気にならないし、続けてプレイでもしなければそもそも意味が分からず気にしようがない。

これだけのボリュームを、毎年出し続けるUBIの底力。しかもローグに関しては初のPS4版ユニティと同年同日発売。
ちょっと信じられないし、普通やらないし、やろうと思ってもできない。
はまる人にとってはとことんはまる魅力を持ったシリーズ。リマスターでのプレイがお勧め。

その他
・人材派遣がまさかの船派遣で復活!そのこだわりは何故?
・暗殺をもくろむアサシン登場時のシュワシュワ効果音と視界に赤みがかる演出が、映画ロード・オブ・ザ・リングで、指輪をはめた世界の表現にそっくり。毎回それを想像する

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