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[ゲーム感想]ケイン アンド リンチ デッドメン(PS3)

■ケイン アンド リンチ デッドメン(PS3)
入手価格 550円
プレイ時間約 5時間15分

"悲しき男達の運命は何処へ"

闇の殺人組織に属する主人公ケインは、家族を人質に取られ命令を受ける事になる。仲間であるリンチとともに、難解なミッションに挑む二人の勝ち目のない戦いの行方やいかに。
死刑囚のケインとリンチが織り成す裏切りと復讐の物語。

三人称視点で進む一本道のステージクリア型シューティングゲームで、道中は仲間のリンチ(後半は仲間が増える)に対し指示を出すことが可能。味方をうまく使うことで、敵の気をひいて裏から攻めるなどの戦略をとることができる。

悲しいオヤジの危うい復讐劇!

巨大組織に勝ち目のない戦いを挑む、追い詰められた中年主人公達。反発しいがみ合いながらも、根の部分では信頼しあう二人の掛け合い。
ストーリーも実に硬派で、犯罪から抜け出そうとあえぐ男が、結果的に家族を犠牲にして、苦悩するさまがこれでもかと描かれている。
腐れ縁の相棒リンチの凶暴で投げやりな人生を背負い、家族に嫌われ組織に狙われ、追い詰められ必死にもがく主人公ケイン。
まるで、映画を観ているように魅せる演出。ムービーとゲーム本編の隔離がなく、感情移入が切れない。

画竜点睛を欠く

おそらくプレイした人ほとんどが感じる”雑さ”。
軸のシューティングの部分が精査されていない。なんでこんなに照準があわせ難いのか。
打ち抜く感覚なし、敵を狙い撃つ爽快性なし、なんとなく撃って、なんとなくあたる。
雰囲気で何とかなるかとでも思ったか。そこはしっかり創らないかんやろ。

カバーアクション張り付いたり張り付かなかったり中途半端。カメラ位置ガタガタっと動き、ぬるっと定まらず、時として暴走。キャラクターの動きギクシャク。撃った瞬間反動で照準がずれる余計なこだわり。操作性が悪いのに一発即死が多く、何度もやり直しさせられてストレスがたまる。
気になる点は枚挙にいとまがない。

大作のにおいを醸し出すガッカリゲーム

ちょとした分隊指揮要素があり、味方に移動や攻撃の簡単な指示が出せる。遮蔽物の陰に隠れて撃ってくる敵に対し、攻撃を指示して自分は裏をかいて反対から攻撃など、戦略的な攻め方がワンボタンで出来る。
というはずだが、味方が死ぬとゲームオーバーなので、あまり前に出せず、基本的に行ける所は自分一人で行って、詰まったら味方を使って気をひいてもらう、ぐらいの使い方。魅力になり切れていない要素。

ディスコで暗闇の中群衆に紛れる敵を狙う、バンの後ろから追走してくるパトカーを撃つ等、バラエティにあふれるステージ、シナリオを重視した演出など評価できる点もあるのだが、A級タイトルの雰囲気を出したがために、マイナス点が目に付く。

雨が降りしきる泥沼の中、人質となった家族と会うシーン。助けるために力を尽くした妻に「あんたなんか死ねばいいのよ!」と罵られ、懇願むなしく娘の前で妻は頭を撃ち抜かれる。「話をきけといっただろう!」叫びながら敵の頭に何度もショベルを振り下ろすシーン。身も心も追い詰められブチギレおっさんの魂の叫びが心に響く。
あのシーンがラストで良かったんじゃないか。

楽しめなくはないが、今からプレイするにはきつい完成度。

その他
・警官をバリバリ打てるゲーム性。問題提起にならないあたり、さすがアメリカ
・レトモトってなんやねん!

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