コミュニティと老害
この記事を読んで、激しく同意してしまった。
自分の漠然と感じていた不満とか不合理が端的に書かれている。
まちづくり系・コミュニティ系の起業に取り組むと、
否が応でも、年齢層の高いシニアの方々と関わることになる。
初めはこちらも、異なる年齢層との交流を楽しむ。
多様性こそコミュニティだから。
しかし様々なことを進めていくうちに、彼らの本質に気づき、世代間ギャップに気づき、次第に幻滅し、関わりを避けるようになる。
最終的には、だから老害はコミュニティに受け入れられないしそれは身から出た錆だ。数年後あなたたちの居場所は無いよ、とすら思ってしまう。
1. シニアのコミュニティ参加
実は、コミュニティに対する需要は2020年現在、全世代共通で高まっている。この一年様々な集まりに参加して実際にいろいろな話を聞いたが、これは本当に共通している。
単身世帯が増加していること、大規模災害に対する不安、女性が社会進出する中で子育てどうするの問題。
注目すべきは、シニアにとっても若者にとっても、この重要度が高そうに見えるところだ。
ずっと会社員で役員までやったシニアが、蓄えが十分にある彼らが、コミュニティというものに積極的に参加したがっている。
これ自体はすごく歓迎すべきことで、客観的に、シニアがコミュニティに参加してくるのには、大きく2つ彼らなりの事情が見えてくる。
①定年後の居場所づくり
端的に、これを表す現象が一時期流行った「熟年離婚」だ。
人生の大半を仕事に捧げ地位・財産を築いた夫と、それをずっと支えた専業主婦の妻。
夫が定年退職。ずっと家にいる。邪魔でしかなくなってくる。
妻には地位は無くとも地域に自分の居場所、コミュニティがある。
40年近くのブランクが夫婦間に価値観の大きな溝を生む。
妻は愛想をつかす。そして夫の退職金だけ受け取って、夫の前から去る。
一時期こうしたことが多発した。
だから最近は、家以外の居場所、つまりコミュニティへ参加することで、「仕事」に代わる生きがいを得ようと、退職前から動く人が多いようだ。
②老後の拠り所づくり
これを表す現象は、「痴呆症」や「老老介護」、「孤独死」だろう。
つまり綺麗事抜きの言葉で言えば、
「痴呆を予防したい」
「親族以外で自分の介護をしてくれる人を近くに確保しておきたい。」
ということ。
前者はともかくとして後者って、若者からすると、結構図々しく無いか?と思う。
少なくとも今の若者は年金すらもらえるか分からないんだよ?と。
2. 典型的な老害の性質
①古い価値観にしがみつき、上から押し付けてくる
会社でそこそこ良い地位にあったシニアにありがち。
彼らが持っている古い価値観ややり方を絶対の意見として若者やコミュニティに押し付けてくる人々。
そういう人々は、当然ながら若者の新しい発想に聞く耳を持たない。
対立を生み、コミュニティを壊しやすくするのも彼らだ。
②責任を取りたくないことは人に押し付ければいいと思ってる
上のyahooの記事にもあるし、自分も実際に体験した。
間違って、彼らのような人々のコミュニティに意欲ある若者が新たに参加したとする。
彼らは喜んで受け入れ、その若者に何か提案を持ってくるように言う。
若者はその言葉を信じて、一生懸命提案を作って持っていく。
提案を見て、彼らは「こりゃあいい。」と言う。
で一ヶ月が経つ。二ヶ月が経つ。でも何も動かない。
たまりかねた若者が様子を聞くと、管理者にお金と工事の工面について聞いていると言う。
さらに待つ。
で、管理者に話を聞きにいくことになる。
そこでびっくり、いつの間にかその提案は若者が一人でやりたがっているという理論に置き換わり、彼らは責任の及ばないところから「若者に仕方なく協力してやっている」立場でこちらを見ているのだ。
そう、何かを進める船に、彼らは最初から乗っていない。
③できない理由を並べる。で何も結局やらない。現状維持。
一番多いタイプがこの人。
自分の周りにも何人か思い当たる。
自分も社会人を何年かやっているから、この世の中、本当にできないことなんてそんなに無いのは分かってる。
彼らと過ごしていると、よくまあそうそうできない理由を思いつくなと思う。
「お金がないからできない」
「人手がないからできない」
「専門知識がないからできない」
「他のことで忙しくて余裕がない」
「自分には決定権が無い」
要するに、リスクをとりたくないのだ。
彼らもやる方法を探せばできることはわかっている。
か、もしくは彼らの言及通り、本当にもともと無能で何もできないのかもしれない。
そんな彼らでも、たまに「コミュニティスペース」と呼ぶものを作ることがある。流行りに無駄に乗っかるのも彼らの特徴。
そしてそこはTHE 妥協の産物だ。
田舎のホームセンターで買ってきたような安っぽい家具や照明が並べられ、内装と不釣り合いなスチールラックが置かれ、入るだけでダサい人間の仲間入りしそうな停滞感のあるスペース。
何かを変えようとするとき、彼らのような人間が一人いるだけで、結果は台無しになるだろう。
3. 老害に居場所は無い
2のような人、結構いっぱいいる。
彼らはそれでコミュニティに貢献したつもりになってるのかもしれないけど、コミュニティは彼らのような人間を歓迎しない。
結局、熟年離婚の相手が妻からコミュニティになるだけの話。(最後にはどちらにも拒絶されるかもしれない。)
妻だけでなく、大勢のコミュニティにも嘲笑されながら、彼らは人生を終える。
4. コミュニティに尊敬されるシニアとは
最後に、コミュニティに尊敬されるシニアについて書こう。
・実行の先頭に立つ人
実行力のある人は、何歳であろうと尊敬される。
新しいことをするときは若者だって怖い。
そんなとき、意見では無くて真っ先に行動してくれるシニアがいれば、そのコミュニティはきっと良いコミュニティだ。
・権力/財力を実行のために使う人
シニアにあって若者にないもの。それは権力と財力だ。
権力はコミュニティ内に自分を顕示するために使うのでなく、実行を阻むものを黙らせるのに使おう。
そうすればその人はコミュニティで一目置かれる存在になる。
・実行を推進し、責任を負うことを恐れない人
たとえ実行者が自分で無くても、責任は負って、若者に好きなようにチャレンジさせる。
結局それがコミュニティにおけるシニアの役割ではないだろうか。
まとめ
1. 何事も実行力のある人は、仕事でもコミュニティでも重宝される
2. 実行力のない人は、妻にもコミュニティにも嫌われる
3. 良い歳して言い訳ばかりこねるシニアはみっともない