悲しぃが貯まっていくお風呂場
ある日、悲しかった。
その日もお風呂が忙しくて、あなたの足を持ち上げた時に「もうっ」て口をついて言ってしまった。
あなたにはシャワーの音で聞こえていない、誰にも聞こえてない
でも、私には聞こえてる。その言葉が出てしまったのが悲しかった
急ぎたくない、ゆっくりやってあげたい。
でも、早くその足を台に乗せないと、
今私の後ろで浴槽に入ってる待てないあの人がもうすぐ立ち上がり1人で出てしまいそうだし、
足だけ洗って欲しがるあの人にも呼ばれそうなタイミングだし、
脱衣所の座る場所にこだわりがあるあの人が出る前に椅子にタオルを敷きにいかなきゃだし、
だから急いであなたの足を持ち上げて台に載せなきゃで、急ぐとあなたの足はなおさらに動かなくて。
この小さい悲しいが、毎日毎日溜まっていく。
でも、重なったこれを悲しまなくなるのはもっと嫌で。
あーもう、どうしたらいいの。
人手不足は悲しい。