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「鉄炮洲稲荷橋湊神社」–今は埋め立てられた八丁堀−『名所江戸百景』

最近は自転車を新調してもらったのでそれで何処か少し遠いところに行ってみたいなと思っています。これまでの自転車は中一から使っていたので10年モノ。

ギコギコ鳴りながら漕いで、変速はあっても出来ないし、籠はゆるゆるだし、よく頑張りました。。。

高尾山行きたいなと思いましたが数十キロあった、、、。電車で行ったほうがいい笑。

自然に埋もれたいなをコンセプトに、考え中です。


そんな自然に触れたい日も広重。今回は『名所江戸百景』「鉄炮洲稲荷橋湊神社」です。

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◼️ファーストインプレッション

何とも面白い構造!

手前に直線で柱の上下の対局に線を引くことで、絵画全体に直線的な印象を与えています。それに反して奥には富士山。その荘厳さが手前の柱の画面に収まっていない大きさに負けていないのが素晴らしい!

また、富士山だけでなく中央には橋が見られます。題名の通り「稲荷橋」ですね。それと釣り人の乗る船の丸編みが手前の直線とのコントラストになっていますね。見ていて楽しいリズム感のある一枚です。

船にはいくつかの樽が積まれていて、どこかに運ぶ途中かどこかから運ばれている途中なのかわかりませんが、江戸に樽が集まっているのがよくわかる絵ですね。

左岸には赤い壁が塀の上に建てられていますが、これが題名にある湊神社でしょう。


◼️描かれた位置

この絵に描かれる湊神社、稲荷橋は現存していないためにそれだけで検索することはできません。一応ワード検索したところ、「稲荷橋」橋標があることはわかりました。

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この稲荷橋というのは八丁堀に架かっていた橋であるらしく、現在は八丁堀自体も現存していないので跡地になっているわけです。

八丁堀は絵の通り、堀は川のように西に続いていたところなのですね。

地名は聞いたことはあってもどんな場所なのかを想像するまでには至らなかったです。

八丁堀は明治時代に「桜川」と名前が変わりました。しかし埋め立てられたことで今のように駅名だったり地名にしか名残はないそうです。

上の地図の稲荷橋橋標を橋のあった場所とした時、富士山が南西の方向にあることを考慮すると上の橋である「高橋」あたりからこの絵を描いているということになります。


◼️湊神社

こちらでは「湊神社」と表されていますが、実際は「鉄炮洲稲荷神社」という名前の神社。

徳川幕府が開かれいよいよ埋立てが進み、寛永元年1624年、これまた氏子崇敬者の願いによってこの鐵砲洲に生成太神を御遷座申し上げ、それまであった八幡神社を摂社として今日の鐵砲洲稲荷神社の基礎を築きました。たび重なる海側への御遷座は、そもそも御鎮座の地に湊があったからです。

鉄炮洲稲荷神社は海側に何度も御遷座があったから、湊という文字をとってきたのでしょう。

江戸時代に至っては、米・塩・酒・薪・炭を初めほとんどの消費物資は鐵砲洲の湊へ入ってきたため、鐵砲洲生成太神の名は船乗人の海上守護の神として全国に広まり、今なお『冬至開運祈願祭』に授与する「金銀富貴」の神礼は日本中の人々から拝戴されています。

さまざまな消費物資が江戸に入ってくる時にここを通ることになったからなのか、この鉄炮洲稲荷神社は海上守護の神が祀られているそう。

絵には先に指摘した通り酒樽を乗せているものがその象徴のようですね。

物だけでなく、屋根船も流れているので人も通う交通の要所だったのでしょうか。

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こちらが現在の鉄炮洲稲荷神社

周囲を見る限り、赤い塀は見られませんね。


この鉄炮洲稲荷神社には富士塚があるそう。

https://tokyo-trip.org/spot/visiting/tk0694/

江戸の富士塚は、富士講信徒の協力を得て、溶岩(黒ボク)を富士の山麓から採集、相模川を船で下り、三浦半島を回って江戸湾に入り、神田川を遡って揚場河岸(あげばがし=飯田濠の河岸、現・新宿区神楽河岸)に着き、大八車で戸塚村まで運んでいます。

富士塚は富士山の山麓から溶岩を持ってきて、それで塚を作った物なのですね。

富士講の子孫的な丸藤講が18世紀に築いたそう。

富士塚の麓にある楕円形の力石2個には、富士講のひとつ丸瀧講の講印が陰刻され、中央部分に「霊岸島」「小田原屋久助持石」とあるので、小田原屋久助が持ち上げた力石が奉納されたものだとわかります。

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こちらが現在の力石。塚だけでなく、現在にも残るものはあるそうようですね。


今日は描かれた位置の周辺の稲荷橋八丁堀について、また湊神社と題されている鉄炮洲稲荷神社についても見ていきました。

今日はここまで!

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