『甲州三坂水面』−おわかりいただけただろうか、富士に違和感が二つもあることを…−『富嶽三十六景』
今日は初めて猫カフェに行きました、、。猫にこれまで触れ合ってこなかったことを後悔するくらいいい時間でした。歌川国芳は猫ちゃんが大好きだったのを思い出しました。絵を描いている時間にうるさくすることもなさそうですし、横でじっとしてくれる猫ちゃんは可愛くて仕方なさそう、、。猫同士で戯れ合いを始めて紙がぐしゃぐしゃになることもありそうだけど、それすらも可愛いんだろうな、、。
歌川国芳の名前を出しましたが今日も葛飾北斎。『富嶽三十六景』の「甲州三坂水面」。
湖半分と空の湖に挟まれて富士山が大きく見えますね。その麓に村があるようです。深い森の中にあるようですがこんなに軒が連なるということは何かの宿場町があるのかな?全体的に水色で挟まれていて、その間に丘が両端に配されているからか、富士山がそのコントラストで波長を作っているようですね。心電図みたいなうねうねが真ん中にできています。あ!しかもこれ今気づきましたが逆さ富士ができている!湖面に富士山が映っているのがまた凝った表現ですね。それでもなんだか違和感なのが真下に写っていないこと。少し左に描かれていますね。
甲州三坂とは現在の山梨県南都留郡富士河口湖と山梨県笛吹市御坂町にまたがる御坂峠のことであるらしい。
でも絵では湖面を描いているから御坂峠というよりは手前の河口湖寄りの場所からの景色であるのでしょう。
本には中央左の島は鵜の島だということ。
ちょうど赤いピンの上辺の方から眺めているのでしょう。
またその左の建物は妙法寺です。
https://kawaguchiko.net/cultural-assets/myohoji/
小さいながらも四季に合わせて素朴で美しい景色を持つお寺ですね。
日蓮の説法に感銘を受けた28人により建てられ、明治時代には一度火災の被害に遭いましたが、その頃にはこのお寺で芝居が開催されていたようですね。歴史あるお寺でした。
私が感じた違和感はやはり当たっていて、富士山が湖面に写る逆さ富士が富士山と対称に描かれていないのです。本には構図の安定性を図るためにあえて配置を左にずらしているらしいです。しかももっと辺なのが実の富士山と湖面の富士山は様相が全く違うのです。ほとんど心霊現象みたいなもんですよ。実の方は雪と地の区別がグラデーションなのに対して湖面にははっきり写っている、、。北斎はこの自然現象の理を理解していなかったなんてちょっと考えにくい、、。遊び心かな?二つの季節が共存しているのが大胆にも程がある。
『北斎漫画』13編に逆さ富士が描かれているそう。
これまた同じ場所から描かれているようですが、真下ではなく左に描かれている。
やっぱりそうですよね、、。逆さ富士はずれることないですよね、、笑。あってるよね私。笑
流石に北斎のことだから”遊び心”ということで締めておきたい、、。笑
この作品は歴史ある寺があったり、丘と富士の心電図リズム、逆さ富士の写像位置の違和感、そして湖面の富士の心霊現象。全てひっくるめて見ていて飽きないですね。
今日はここまで!
#葛飾北斎 #北斎 #富嶽三十六景 #甲州三坂水面 #逆さ富士
https://www.fujigoko.tv/mtfuji/vol5/hokusai/misaka/
たまたま見つけた記事ですが、こちらのまとめがものすごく面白い!徹底した検証で納得させられます!日野原さんの本との意見の相違はあっても、ド素人の私はどちらも受け入れる立場でしかないので両者参考にさせていただきます!それにしてもここまで検証できたらたのしいだろうな!いつか同じことをなぞってみたい!
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