「鉄炮洲築地門跡」–築地本願寺は何が釣れるか見ている−『江戸百景餘興』
t今日は新しいバイトの研修がありました!
スポーツジムのインストラクターをやるのですが、覚えることが多そうです。笑
なんと言ってもジムを無料で使えるので体を適度に鍛えまくりたいと思います!
そういえばこの記事の行替えが1行分空くように改変されましたね。
実は1行空けない前のバージョンは気に入っていましたのでまた戻るといいな、、。
そんな今日も広重。
今回は『名所江戸百景』ではなく、『江戸百景餘興』の「鉄炮洲築地門跡」です。
◼️ファーストインプレッション
奥に見える大きな寺がこの川を俯瞰しているようでとても印象的です。その手前を霞がかかって寺の内部がわからないようになってしまっています。
川では船に乗って釣りをしている集団がいくつかありますね。みんな同じ元の漁師でしょうか。
その手前に大きな帆のある船が横切っています。奥の漁師たちとは違う種類の船なのでしょうか。
◼️鉄炮洲
江戸名所図会の「銕炮洲」の項目には地名の由来を以下のように記しています。「伝へいふ、寛永(1624年~1644年)の頃、井上・稲富ら大筒の町見を試みしところなりと、あるいは、この出洲の形状、その器に似たるゆゑの号なりともいへり」つまり、鉄砲洲の地名の由来は以下の2説です。幕府鉄砲方の井上・稲富の両家が、この砂州上で大筒の稽古を行っていた
砂州の形が鉄砲に似ている
どちらの説が正しいかはっきりとはしませんが、おそらく江戸幕府の初期の頃にはこの辺りで大筒の稽古が行われていたようです。その後、この鉄砲洲の地が江戸城に近いことから、大筒の稽古場は鎌倉の由比ガ浜に移されています。
この鉄炮洲の名前の由来が記載されています。
由来の説として①砂洲の形が鉄炮に似ている、②幕府鉄炮方の井上、稲富の両家がこの砂洲で大筒の稽古をしていた。
の二つがあるそうです。
◼️描かれている位置
この絵に描かれる奥のお寺が現在の築地本願寺であるそう。
そして鉄炮洲を手前に描いていると考えると以下のような地図になります。
赤ピンの「鉄炮洲通り」とされたところを鉄炮洲とした時に、西南の方向に灰色ピンで「築地本願寺」とされている方面を見渡していることになります。
しかし築地本願寺の大きさからしてもっと近いところから描いているかもしれません。
◼️築地本願寺
以前何かの動画で築地本願寺が載っていたものを見ましたが、お寺のわりに洋風な印象が強かったのを思い出しました。
1617年に浅草近くに創建されましたが、1657年の「明暦の大火」とよばれる大火事で焼失してしまいます。その後、再建のため江戸幕府から与えられた土地が現在の場所ですが、当時は海上でした。そこで海を埋め立てて土地を築き本堂を建立したことが「築地」という名称の由来になっています。また1923年には関東大震災に伴う火災により再度本堂を焼失しましたが、1934年に再建し現在の本堂の姿となりました。
明暦の大火の影響はここまで出ていたのですね。
元々海上にあったということは、鉄炮洲にあったのかな?鉄炮洲が完全な海ではなく、湿地帯であったことから埋め立ては可能ですね。
そう考えると、鉄炮洲はとても広いエリアであったこともわかります。
実際に由来が、海を埋め立てて土地を築き本堂を建立したことから来ているとありますのでこのエリアは海を埋め立てたというのがキーポイントです。
築地本願寺を描いた他の浮世絵を見ていきましょう。
歌川国芳の『築地御門跡之図』です。
今回扱った作品同様、これも今の西洋風の風格は感じられませんね。人々が参拝のためか、列を成しています。桜が咲いているのでお花見ついでの参拝でしょうか。
歌川広重の『江戸名勝図会 築地門跡』です。
ちょっと西洋風の印象を感じられます。しかし現在の姿になったのが1934年なので、たまたまでしょう。この絵でも桜が咲いていますので、やはり桜の咲く時期には築地本願寺に集まって並んで参拝していたのですね。
当時からこの築地本願寺の鋭角の屋根が特徴だったのですね。
◼️描かれる漁師たち
この絵の中景に描かれる船に乗る漁師たちが何の漁をしているのかというのが大事ですね。
釣りはただ、江戸湾の魚を釣っているだけらしいです。その隣に何人かいる網を持っている漁師たちは投網漁がなされています。これで群になっている魚たちを一気捕りするのでしょう。
実は船からだけでなく、もう少し奥の岩の中で釣りをしている人々がいますが、あれらは突堤と言われるところで漁をしているらしい。
近くに飛び交っている鳥たちは「ゆりかもめ」。
東京の都鳥ですね。奥の築地本願寺の方に見える鳥たちの連なりもゆりかもめなのかな?
今日は築地本願寺とそこがあった鉄炮洲、現在の場所との照らし合わせを見てきました。
今日はここまで!
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