「目黒千代が池」−千代を思うと花がより美しい−『名所江戸百景』
最近お菓子の暴食が止まらないのでプロテインを購入しようかと思っているのですが、Amazonで買うか迷っています。
いや〜買っちゃえ!
を何回も繰り返していました。
そんな優柔不断な今日も広重。今回は『名所江戸百景』の「目黒千代が池」です。
◼️ファーストインプレッション
すごく美しく情緒的な絵だというのが第一印象。
まず、桜の木が数本斜面に植えられていて中景を彩っています。
そして右上から流れる滝。小さな滝ではありますが白く勢いのある水であることがよくわかります。桜の間の滝なんて美しいでしょうね。現実に見てみたいものです。滝の前には人がそれを鑑賞し人来られる小島があります。ここはそんな観賞スポットだったのでしょうか。
その次に池に映る木々の影。水が澄んで静かな水面であることがよくわかります。逆さの風景もまた見ものだったのだと思えます。
右上から真ん中に向かって滝の流れに沿って視線を移し、その下の人々に心情を移します。その後池の水面に映った逆さ木々に気づくといった流れでこの作品を楽しむことができますね。
上部の霞が神秘的な印象を醸し出し、仙人でも出てきそう。
まさに春爛漫といったところです。
◼️千代が池
この逆さ木々を映す池は題名の通り千代が池というものでした。
しかし時代が経るにつれてこの池は千代ヶ崎と称されるようになりました。
この地図は赤ピンがいくつもあるのがみづらいところですが、赤ピンの示す場所が千代ヶ崎関連の地名を含んだ場所です。
なのでこの赤ピンを囲うようにこの池があったわけです。
囲うようにといっては大袈裟ですが、この周辺ということですね。
千代ヶ崎というのが肥前島原藩松平主殿頭の敷地内にあったものであるそう。
なのでこの肥前島原藩の領地を特定することからします。
だから、上の地図でいうと赤ピンの①のあたりから、、、と言葉で説明するのがもどかしいので古地図を用います。
右側に白く大きな区域がありますが、そこが肥前島原藩松平主殿頭の敷地です。
残念ながらこの敷地内には池の様子が描かれていませんが、この敷地内にあったことは史実上確かですね。
この敷地には庶民も出入りすることができたようです。
ここまでは花の様子は見てきましたが、月の夜も、雪の日も楽しめたようですね。
この千代が池の由来がとても悲哀に溢れていまして、引用いたします。
新田義興が畠山国清に殺されてしまい、後追いしようとこの池に身を投げたのが侍女の千代であったそう。そこから名前が付けられたそうです。
美しく咲く桜が、植えられたのは後年にしろ、まるで千代を供養しているかのような慈愛を感じます。
また、この絵に女性ばかりが描かれているのが意図的なものなのか気になるところ。
主人への忠誠心に感嘆しているのでしょうか。
千代の心に心情を重ねそうな情景でした。
今日はここまで!
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