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「お茶の水雪中の美人」−懸樋の名前はもう忘れません。−『銀世界東十二景』
今日は映画『Dr.コトー診療所』を観てきました。
ドラマは中学の時に国語の授業で数話”見させられた”のですが、それが非常に良く、ストーリーや登場人物はとても印象的に記憶に残っていました。
国語の授業で中学生に、当時で八年前とかのドラマを見せるなんて尖っているけれどセンスのいい先生ではあったのかもしれません。笑
物語をいうとネタバレになりますが、ドラマ版とキャストが全く変わらず、島の20年後が非常にリアルです。
新しいキャストでキンプリの高橋さんが入っていましたが、テレビで歌っている時と全然顔が違うのが驚きでした。これからどんどん演技の方面で出てくるんじゃないかと思っています。
FODで配信しているらしいので一気見したいなと思っています。
中島みゆきの歌もまたコトーの作品を見ているという気持ちが高まります。
映画は2時間以上じっとしていないといけないので苦手でしたが、物語に入り込むと楽しいものですね。
また何かみたいと思っています。
そんなコトーをまた観たいと思った今日も広重。
今回は『銀世界東十二景』の「お茶の水雪中の美人」です。
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でた、お茶の水といえば、もうこの形ですよね。
渓谷のような形の崖両側に、真ん中を通る川、そして架かる橋みたいな?建物。
お茶の水はどの絵師が描いてもこの要素は必須で、広重も、広景も同じように描きました。
この真ん中の吊り橋的なものがなんだったか確かにするのを今日は目標にします。
それにしても今回の色の発色は非常に鮮やかですね。
女性たちが着ているものには真っ青なものと真っ赤なものが大部分を占めていて、雪の日でもよく目立つ色味です。
付き人のような後方の男性も、非常に綺麗な朱色のお召し物を着させてもらえています。
この美人たちは非常に羽振りの良い生活をしているのでしょうか。
それか上位の遊女か芸妓。
架け橋の正体
この真ん中の架け橋的なものはなんだったけな。
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こちらは『江戸名所図会』第一巻の「お茶の水水道橋」の図です。
やはりこの時代から既に同じ要素はお茶の水には必要だったことがわかります。
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「お茶の水」の本文はなく、「水道橋」しかなかったのでこちらを参考に。
あー、懸樋だったな。
〘名〙 地上にかけ渡して、水を導く、とい。といをかけて、水を引くしかけ。ふつう、節を抜いた竹や、中心部をくりぬいた木などを用いる。かけどい。⇔埋樋(うずみひ)。
水を渡していたのですね。
この川の少し下の方に神田上水の懸樋があるということで、描かれているものの水はどこのかは判然としませんが、こうした生活用水の水であることは推測できますね。
しかしこの地図を見ると、懸樋は一箇所しかないことがわかります。
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上のオレンジの3個が並んでいるところに水道橋・懸樋・神田川とありますが、その真ん中にしか懸樋はありません。
つまり、お茶の水、水道橋近郊の懸樋はここしかないことがわかります。
ということはここの懸樋には神田上水が流れているということなのですね。
神田上水は井の頭から流れている水で、江戸を開くにあたり家康が水質の良さから選んだ水源でした。
確か、神田上水を作ったのは家康の菓子司 大久保藤五郎で、菓子を作るには良い水を使う人間だからこそ選ぶことができたと言われています。
もう2度と懸樋の名前を忘れないくらい打った気がします。
お茶の水に今も懸樋跡のような史跡があったりするのでしょうか。
https://tokyo-trip.org/spot/visiting/tk0738/
あるっぽい。
しっかりと読めるような史跡になっていますね。
通った時にはしっかり見ておこうと思います。
今日はここまで!
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