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「阪之下 筆捨嶺」−谷の向こうにも人がいた!?−『東海道五十三次』

新しいバイトに採用になりました。
これまでやっていたスポーツジムのバイトはやめて新しい方一本にします。
都内でもかなり観光地めいた場所で働くので英会話を習得していた方がいいですよね。
なので今日の夕ご飯の時の7時のNHKニュースは英語で見ようということになりました。
しかしじっくり聞くことでご飯の手が止まってしまい、効果的なのかよくないのかわからない、、という結果になりました。

TOEICの点を伸ばすのとはまた方法が違うのでどうしたらいいのやら。

そんな英会話の上達方法を探る今日も広重。今回は『東海道五十三次』の「阪之下 筆捨嶺」です。

東京富士美術館

◼️ファーストインプレッション

坂の下というのは、どこの坂のことを示しているのでしょうか。
むしろ坂の上と言ってもいいほど高い所が舞台ですね。

おそらく画面左にある山の連なりが筆捨嶺なのでしょう。
なんか姨捨山みたい。山は物を捨てがちな、貝塚的な役割も果たしていたのでしょうか。

手前の崖の上では茶屋のような休憩スポットがあり、そこで多くの旅人が休んでいます。
あと少しで茶屋に辿り着きそうな牛を連れた親子もここで休憩するのかもしれません。牛もこんな坂道をのしのし上がってくるなんて、重労働ですね。子供も。

崖の一番崖側でしゃがんでいたり、手をかざしていたりする二人組はきっと筆捨嶺を眺めているのですね。
その筆捨嶺もよく見てみると、ゴツゴツとした岩肌が剥き出しになって人が上には向いていなさそう。
中では2本の細い滝が流れていて、そこに瑞々しさが唯一見られますね。

画面が右下から左上の方向に視線を移行させる工夫がなされていて、隅々まで画面の中の景色に目をやることができます。

今回はこの阪之下と筆捨嶺について見ていきたいと思います。

◼️阪之下と筆捨嶺

阪之下という場所ではなく、坂下という地名で今は残っていて関町坂下という地区になっています。

細い赤枠がその坂下の地域。
今回はその中でもどこだということは特定できなさそうです。
地図のど真ん中にある水色のピン「筆捨山城跡」が今回の筆捨嶺であるらしい。
今回の絵は東海道の江戸の方向を見た絵であるということがわかります。
前回の関宿から筆捨嶺の距離は4キロほど。
そこから赤枠の中の峠までは8キロほど?
なんと言っても坂を登って行く必要があるので、8キロほどあっても平地よりも時間がかかりますね。

筆捨嶺・山の名前は地名辞典にも載っていないようなので正確なものは分かりませんが、こちらに由来が書かれています。

阪之下の宿から眺望する筆捨山です。狩野元信がこの山を描こうとしたが、余りの美しさに筆を投げ捨て断念したという言い伝えがあります。

狩野元信も此地を描こうとしたようですね。しかしながらその美しさを描くことができず、筆を投げ捨てたと。
ということはここは少なくとも室町時代から絶景とされている名所なのですね。

『東海道名所図会』「筆捨山」の挿絵です。
「狩野家さへ筆を捨たる所をば拾ふて図する無法眼也」とあり、まさに狩野元信のことが言及されています。
画面右下に今回の絵と同様に茶屋の賑わいが写されています。
そこから左上に向かって目をやると、大きな筆捨山。
今回の絵では山との距離感は分かりにくいですが、谷が一つ挟まれていることが図会により分かります。

筆捨山について書かれている部分を載せました。
「一ノ瀬の○にある海道の左の方は麓に八十瀬川を帯て山頂より所々に山家あり、其間間に方古松にして枝業屈曲にして作り松の○し本名は岩根山といふ。里○云狩野古法眼東国通りの村此山の風景が画たりつらてんやとはけとるにここ海におよば次山間に筆が捨てとぞ
それ此山は麓に八十瀬川を帯て蒼松の黛色濃にして奇所々におもひて松根これが○に曲り○られて作り樹のぬし朝ありしに小琴○の聲○○の雨凄凄たり月のかげに龍蛇の形をあらはし鶴の声に君子の◯を長に〇〇参帝の返としのがせ花は密妃の春に老たり此山脈は○て岩根山の◯方に大黒岩わびし岩観音岩女度岩など形を持ってたにくふみな山脈にあり、懐岩は海道の左にあり、むかし山家をりこしにころび○○ルト○又向ふ年中て錫杖嶽我々と聳えて風色斜ならず吾妻の通○参宮の貴賤まずここに憩ふて時をつはつ○地の」

ううう、難しい。
とりあえず、筆捨山は本当の名前は岩根山と言い人も住んでいたといい、松が生えているのが非常に名物であること、、?

もう少し時間があればできましたが昼もくずし字夜もくずし字、、。
それでもなかなか前よりも読めている実感がないのでかなり悔しいです。



今日はここまで!

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