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COVID-19新型コロナに罹患した自分が伝えたい3つの事 

すこし油断していた自分がいた

2020年1月に日本に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が到来してからもう少しで3年が経過しようとしています。
今までさまざまな感染対策に加え、ワクチンも4回接種(PPMP)しており12月に5回目接種を控えている状態でした。
つい最近家族のCOVID罹患で自宅療養していたこともあり、同じ空間に居ても感染対策をきちんと行っていれば感染しないという変な自信が芽生えていました。
その根拠の無い自信が慢心にかわり、自身の感染につながってしまったのかもしれません。
今回発症から療養中まで自身が感じたことを自由に書かせて頂きますが、COVID-19には様々な型があり、また症状発現には個人差もあるため、n=1(1個人)の意見として読んで頂ければと思います。

発症まで

抗原定性検査陰性

朝から少し喉の違和感を感じていましたが、たまに仕事のストレスで胃酸が逆流して生じる一時的な「逆流性食道炎」のようなものかな?くらいに思っていました。
しかし午後になっても症状は収まるどころか更に強くなり、夕方には声が少し変わるくらいになり、
『あれ!?これはもしかして?』とこの時はじめて【COVID】の文字が頭に浮かびました。
帰宅して熱を測っても平熱、しかし背中から全身にかけてのだるさと咽頭痛だけは残ります。
翌朝、症状が更に強くなっていたため体外診断用(医療用)の抗原検査キットを用いて検査しましたが「陰性」。
熱はありませんでしたが、のどの痛みと倦怠感が強かったためその日はお休みしました。
お昼頃から微熱が出始め、夕方再度抗原定性検査を行うと陽性の線が。。。。
仕事に行かなくて良かったなと思った瞬間です。

抗原定性検査陽性

発症してから

罹患した方の話を聞いていた感じだと、比較的軽症で済んでいる方が多かったため、私自身も4日目くらいからは普通に在宅ワークができるかなくらいに思っていました。
そんな甘い考えも日を追うごとになくなっていき、2日目、3日目、4日目と症状が強くなり、熱は下がらない(むしろ上がっている)、のどの痛みは今まで経験したことの無いような激痛で唾をのむのも嫌になるくらいでした(その他鼻水、咳、味覚障害)。
明日起きたら咽頭が腫れすぎて息ができなくなってるんじゃないかと弱気になってしまうほどです。
『わたしの中のワクチン抗体は休んでいるのか?』っていうくらいひどかったです。

伝えたいこと 1
・症状は徐々に出てきて、徐々に強くなり、そして持続する
(油断することなかれ)
 〔 発熱・咽頭痛・鼻水・咳 〕

勝手に引用させて頂きますが、くろたつ先生(医師)も自身の療養を終えた後、長引く症状がエグいとおっしゃられています。
同感です!!

使っていた薬

4日目までに服用していた薬

Rp
トラネキサム酸錠500mg
カルボシステイン錠500mg
(OTC)エスタック総合感冒薬
アセトアミノフェン錠300mg 発熱時
ロキソプロフェンNa60mg 発熱時
アズノールうがい液

4日目までの発熱に対しては、アセトアミノフェンを2錠飲んでも、3錠飲んでも熱は全然下がらなかったですね。
いつも発熱外来ではアセトアミノフェン錠500mgを患者さんへ渡すことが多いですが、皆さん本当に解熱してるのかな?と心配にさえなりました。
そんな発熱に対してもさすが「ロキソプロフェンNa」、しっかり解熱してくれます。それでも1日3~4回定期服用しないと熱がまた38℃以上にあがってくるといった感じです。
そのため、一家に一つは「ロキソニン錠🄬」を備蓄しておくことをおすすめします。
ほぼ無いとは思いますが、ロキソプロフェン単独でも熱が下がらない場合には、アセトアミノフェンとの併用が効果的な場合もあるようです(PMID:34304913)

小さな子供ではやはり「アセトアミノフェン」が基本となりますが、「イブプロフェン」も使用することができます。
脳症を引き起こすので、イブプロフェンは避けましょうと書いてある記事もみかけますが、実際にはアセトアミノフェンと並んでよく使用される薬剤で、効果不十分時(3~4時間経過後も解熱しない場合)にはイブプロフェンを考慮しましょうとup to date(2次的な教科書のようなもの)では記載されています。
それでも心配な場合には、アセトアミノフェンとイブプロフェンを交互に使用した方がイブプロフェン単独よりもむしろ効果がありましたという報告もありますので、両方を使い分けても良いかもしれません(PMID:16515705)。
まずは何より熱があればしっかり下げて体力を回復させることが大切です。

逆に、発熱外来でよく処方される「トラネキサム酸」「カルボシステイン」といった薬は4日目までで言うと『どこに効いてるの??』っていうくらい無意味だったので、初期は喉に刺激の少ない【水分】と【ロキソプロフェン】で乗り切るのが一番ですね!

伝えたいこと 2
・トラネキサム酸、カルボシステインは全然効かない(私見)。
 解熱にはアセトアミノフェンよりもロキソプロフェンNaが役立つ!

ちょっと小休止(妊婦の解熱について解説)

解熱にNSAIDS(ロキソプロフェンNa、イブプロフェン)を推してきましたが、わたしの周りでも妊婦さんへの解熱剤の使用について聞かれることが多いので少し解説しておきたいと思います。
一般的には、妊婦=アセトアミノフェン(カロナール等)が望ましいとされていますが、熱が下がらない・痛みが取り切れないなどの理由があれば、妊娠初期(2~4カ月)~中期(5~7カ月)にかけては処方されることもあります。流産や催奇形性に関する報告も少ないとされています。
NSAIDSが絶対ダメ(禁忌)なのは、妊娠末期で、後期~末期(8カ月以降)にかけては胎盤を通して母から栄養をとっているので、血管収縮作用のあるNSAIDSはだめですねとなっています。
結局のところ総合的に判断して、基本はアセトアミノフェン、体調悪化が懸念されるなら解熱をしっかりするためにNSAIDSの使用(有益性投与)となると思います。

感染期後半

5日目になってやっとアセトアミノフェン錠でも解熱するようになってきました。
喉の痛みは変わらずで、「はちみつ」をスプーン一杯、1日3食食べてみたり、「のどぬーるスプレー」を使ってみたり試行錯誤していました。
「はちみつ」は効いたか効いてないかわかりませんでしたが、喉をうるおしてくれるのでいいアイテムでしたね。よく言われるように咳には効いてくれてたかもしれません(PMID:32817011、29633783)。
「のどぬーるスプレー」は刺激感強いですが、なんか効いてる感じはすごくしました!なので、おすすめです。

伝えたいこと 3
・はちみつ、のどぬーるスプレーは良いかもしれない!

結論

そんなこんなで療養期間も終わりに近づき、6日目くらいからやっと体調が戻ってきました。
【 伝えたいこと ★まとめ★ 】
1.症状は徐々に出てきて、徐々に強くなり、そして持続する
 〔 発熱・咽頭痛・鼻水・咳 〕
2.トラネキサム酸、カルボシステインは全然効かない(私見)
 解熱にはアセトアミノフェンよりもロキソプロフェンNaが役立つ!
3.はちみつ、のどぬーるスプレーは良いかもしれない!

これらを踏まえて、最低限準備しておいた方がいいもの
◎医療用抗原検査キット(復帰を考えて2個)
◎ロキソニン錠(またはイブプロフェン錠)
◎総合感冒薬(安いもので可)
◎はちみつ
◎のどぬーるスプレー

これだけあれば、病院に行かなくても
自宅で陽性判定 → 自宅療養
がとりあえず可能となるのではないでしょうか?

発熱外来も多くの患者さんが来院して逼迫(ひっぱく)しています。一人ひとりが事前の準備をしてセルフケアに取り組む意識をもつ時期に来ているのではないでしょうか。

余談

感染0日からの8日目

感染0日からの8日目から出勤が可能ですとなっていますが、抗原検査をされずに出勤される方もいるのではないでしょうか❓
こちらは8日目の朝に行ったものですが、10日目くらいまで陽性の線が出ていました。
政府の方針で療養期間が無理やり10日から7日間に短縮された経緯もあり、症状的にも検査的にも本来は10日必要な気がしました。

感染後のワクチン接種

そして、感染し自宅療養が終了してから2週間後にワクチン接種を控えていたわたし。

風の噂で「感染後にワクチン接種で抗体価が上がる」という話を聞いたので打とうか迷っていたところでした。

ツイッターでの「まーぴーさん」のツイートをみて、考えて、やっぱり打ってみようと思いました。

『桁外れに高いレベルの抗体の産生』があるか無いかはわかりませんが、二度と今回のような体験をしないためにも打っておくことがベストと「判断しました。
 スーパーTOMO人の完成です!!
 もう感染しないでしょう( ´∀` )

画像:薬剤師まーぴー@ママ薬剤師(@mp_pharmacist)さん提供

【参考資料:PMID順】
1.Smith W, Leyva R, Kellstein D, Arthur E, Cruz-Rivera M. Efficacy of a Fixed-Dose Combination of Ibuprofen and Acetaminophen Compared With Individual Monocomponents in Adult Male Subjects With Endotoxin-Induced Fever: A Randomized Controlled Trial. Clin Ther. 2021 Jul;43(7):1213-1227. doi: 10.1016/j.clinthera.2021.05.004. Epub 2021 Jul 23. PMID: 34304913.
2.Nabulsi MM, Tamim H, Mahfoud Z, Itani M, Sabra R, Chamseddine F, Mikati M. Alternating ibuprofen and acetaminophen in the treatment of febrile children: a pilot study [ISRCTN30487061]. BMC Med. 2006 Mar 4;4:4. doi: 10.1186/1741-7015-4-4. PMID: 16515705; PMCID: PMC1421419.
3.Abuelgasim H, Albury C, Lee J. Effectiveness of honey for symptomatic relief in upper respiratory tract infections: a systematic review and meta-analysis. BMJ Evid Based Med. 2021 Apr;26(2):57-64. doi: 10.1136/bmjebm-2020-111336. Epub 2020 Aug 18. PMID: 32817011.
4.Oduwole O, Udoh EE, Oyo-Ita A, Meremikwu MM. Honey for acute cough in children. Cochrane Database Syst Rev. 2018 Apr 10;4(4):CD007094. doi: 10.1002/14651858.CD007094.pub5. PMID: 29633783; PMCID: PMC6513626.

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TOMO@北の薬屋®
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