見出し画像

FREEK TALK #001 髙橋さんに聞く「ハイキュー!!」のはなし

文/構成:とんこ

本企画は、編集部員であるとんこが毎回異なるゲストを呼び、その人の「好き」を「自由」に語ってもらいつつ、根掘り葉掘りおしゃべりするものです。記念すべき第一回のゲストは、同じく編集部員でもある髙橋さん。テーマは「ハイキュー‼︎」。

とんこ ジャンプ系の漫画が好きだっていう話は以前から聞いてましたね。実は私、「ハイキュー!!」は完全に未履修で。簡単にあらすじを教えていただいてもいいでしょうか。

髙橋 烏野高校っていう宮城の高校が舞台です。主人公が入学する少し前までは、全国大会まで進むくらいのバレーボールの強豪校で。それは”小さな巨人”と呼ばれる、身長に恵まれなくても「ジャンプ力」という武器を持つ選手がいたからだったんだけど、その”小さな巨人”の全国大会をたまたま電気屋の店先のテレビで見つけた主人公が「自分もこうなりたい!バレーやりたい!」ってところから始まります。ただ、”小さな巨人”が卒業してから烏野高校はどんどん落ちぶれて、”飛べないカラス”とか呼ばれたりしちゃってて...!というのがざっくりとした最初の雰囲気です。

とんこ ありがとうございます。確か今、ちょうど映画も公開してますよね。(パソコンで調べて)あ、ファイナルって書いてある…。

髙橋 そう、ファイナルなんです。原作が少年ジャンプに連載されてた漫画で、それがアニメ化して今は映画化もされてる形だね。地方大会、全国大会、と進んで、物語の最後に大きい◯◯編がいくつかあるから、それを2編分くらい映画でやって終わるんだと思う。

とんこ ◯◯編って言葉、今久しぶりに聞いてちょっと胸が熱くなりました。あったな〜そういうの。人によってどれが好きか分かれたりして、小1時間は話せますよね。漫画もアニメもありますが、「ハイキュー‼︎」を好きになったきっかけは何だったんですか?

髙橋 漫画だな。大学生の時、少年ジャンプ+で定期的にやってる「連載作品の△△話分無料!」ってキャンペーンで見事にハマった。他にも色々やってたけど、私があまりにもホイホイ引っかかるから、大学時代の友達に「お前は少年ジャンプを買ってもらえなくて死んだ小学生の生まれ変わりじゃない?」って言われた。

とんこ 誰かに引きずり込まれたのではなく、一人でにはまっていったってことですよね。

髙橋 そうだね〜。逆に友達を1人招き入れたよ。「ハイキュー‼︎」が最終回まであと一か月って宣伝した時、「俺、今、一緒に走らないといけない気がする」って言い出した、全てのコンテンツに対して並外れた責任感を持つ人がいたから笑「ハイキュー!!」の漫画全巻がみちみちに入ったバッグを運んで貸したこと、つい昨日のことのようです。

ハイキューはハイキューボックスに。
「ぜひ夢枕に立ってほしいという気持ちから、漫画類をベッドの頭側に置いています」by髙橋

とんこ そもそもですが、スポーツ漫画自体が好きなんでしたっけ?

髙橋 そういう訳でもないかも。スポーツ漫画で言ったら後天的に「スラムダンク」(以下、「スラダン」)が好きになったなあ。中高バスケ部なのに、今さらね。ベンチ温め係だったけど…。

とんこ 私も小中サッカーやってましたけど、基本的にはベンチ温めてました。そして高校からは軽音部入ってなよなよになり。

髙橋 サッカーやってたの初めて知った! かっこい〜。高校の3年間って人生のそれなりに根幹の大事な部分を決める時間だったよね。

とんこ 分かります…。そういえばバスケやってたなら、バスケ漫画は読まなかったんですか? 『黒子のバスケ』とか。

髙橋 黒子のバスケはね〜、全くハマらなかったんだよね。今思うと穿った見方してるけど、プレイヤーだったからこそ現実的にはこんなことできないよとか思ってた。この入射角でボールが入ってきたら絶対体育館の天井にぶち当たってるだろ!とかね。

とんこ そういう意味だと、「ハイキュー‼︎」って現実的なプレーシーンが多いんですか? 私はどうしても「テニスの王子様」のイメージが……笑

髙橋 自分ではバレーやったことないしできないから、これくらいのジャンプなら可能なんだろう、くらいで読んでるのかもね。バスケは、自分が過去に決して楽ではない日々を過ごしたスポーツなのもあって、現実はこんなんじゃないぞって目で見ちゃったり。

とんこ ちょっと眩しすぎる時は確かにあるかもしれないですね。あと現実世界のスポーツ観戦においても、自分がやるのは好きでも観るのは興味ないとか、反対に全くスポーツするの好きじゃないけど観る分にはなんでも楽しいって人もいますよね。それもありそう。なおのことスラダンにハマったのは例外的な気がします。

髙橋 スラダンは、映像作品としてレベル高すぎて感動せざるを得なかったな…。3Dって往々にして物体の重さを感じづらいじゃない。VTuberが3D空間で動いてるのとか見てそう思ってたんだけど、スラダンの3Dは人の重さとか、ボールがバウンドした時の衝撃とか質感に現実に近い説得力があって、普通に試合を見てる感じで面白かった。あとは劇中歌とか、音楽もめちゃくちゃ良かったな。

とんこ 観た人観た人感動してて、これが社会現象なんだなというのを肌で感じましたね。ところで定番すぎる質問で恐縮なんですが、「ハイキュー‼︎」にいわゆる”推し”はいるんですか…?

髙橋 うーん、顔が特に好きなキャラはいることにはいるんだけど、人となりは正直全員好きかもしれない。主人公を筆頭に頑張っていない人が1人もいなくて、物語としてめちゃくちゃ気持ちがよいから、この作品を一つの青春として、まるっと全てを愛せてしまいますね。人を殺したり殺されたりすることがないのにちゃんと敵がいて、昨日の敵は今日の味方にもなって。

とんこ それは現実のスポーツでもままある話ですし、アツい展開ですよね。

髙橋 ほんとにそう。あと、キャラそれぞれの存在に納得感があるんだよなあ。名前一つとっても、この子の親が、こうなってほしいって考えて付けた名前なんだろうなあって考えると、ほんとにありがとうって気持ちになる。

とんこ 今、実際にサイト見てますよ。マネージャーもしっかりメンバーとして載るんですねえ。シーズンを追うごとに高校の数も多くなってる。主人公、164cmって確かにバレー選手、しかもリベロじゃないならかなり小柄な方ですよね。だから”小さい巨人”かあ。

髙橋 主人公がいる烏野高校の同じ1年生にめっちゃうまいセッターがいて、喧嘩しながら成長していくっていう、主人公とそのサブ主人公を軸にするとざっくりそういう説明になるんだけど、選手だけではなくマネージャーも、登場人物一人一人に物語があるんです…。

とんこ 主人公より身長の低い選手もいますけど、この子は流石にリベロですね。主人公が164cmでアタックするポジションにいるということが恐ろしいですね…。

髙橋 身体能力がやばすぎるところだけ、良い感じにいわゆる「漫画」っぽいんだよね。

とんこ でも、私が昔読んで大好きだった高飛び込みをテーマにした『DIVE!!』っていう小説の主人公もかなり人間離れしてますよ。あれも誰も成し遂げたことがない技を、生まれながらにして持っている柔軟性と動体視力、人呼んで"ダイヤモンドの瞳"を駆使して成功させるべく努力していくってストーリーなんで。

髙橋 知ってる知ってる! 私も読んだ気がする。

とんこ 「ハイキュー!!」くらいの作品だとポップアップとかコラボカフェもきっとやってますよね? そういうのに行ったり、グッズ買ったりはしますか?

髙橋 どっちもやってると思う。でも自分はアニメよりも漫画のグッズが欲しいから、買うならジャンプショップかな。漫画も読んだし映画も何回も観たんだけど、実はアニメはほぼ見てない。すごく細かいこと、例えば作画が気になると、そのシーンを脳がアニメ版で上書きしちゃう感じがあって。漫画の絵とインパクトこそ至上だと思ってる節があるからなあ。

漫画最終回の複製原画を買えるという。封筒のあしらいにときめく…!!

とんこ なるほど。ちなみに漫画派として、映画観た時に声に対する違和感とかありましたか? いろんな映像化作品への反響を見た時に、声が入ってさらに満足度が上がったパターンと、むしろ違和感が残ってしまうパターンがあるんじゃないかなと思ってて。人によるんでしょうけど。

髙橋 あんまり違和感はなかったかな。それこそ小学生のときは「ハリーポッター」のルーピン先生の俳優さんの声が予想より高い声で「うわあ」って思ったりもしたけど、今はもう原作とそれ以外の違いはそういうもんだって呑み込めるような大人になった。

とんこ なるほど。ちなみに私は『BANANA FISH』って漫画が一番好きなんですけど、あれも特に何かが嫌だったという訳ではなく、2018年にアニメ化されたのを何話か観てやめちゃいましたね。やっぱり漫画が好きなんだなと思いました。でも『BANANA FISH』は昔の漫画すぎて原作の作画でグッズが出ることはないので、グッズはアニメのをいくつか買いました…。

髙橋 漫画のテンポ感と違うな~とか思っちゃうと難しいよね。ハイキューグッズはポストカードとかクリアファイルを持ってます。薄いし書類入れられるし、と思って買っちゃう。もうクリアファイルも多すぎてクリアファイルを入れるためのクリアファイルに収納されてるけど。

連載終了後、「週刊誌の好きなページをTシャツにできる」ジャンプ+の機能で気付いたら頼んでいたそう

とんこ 文房具は実用性高いので買っちゃいがちですよね。
最後に「ハイキュー‼︎」についてまだまだ伝えたい魅力があれば思う存分どうぞ!

髙橋 物語が進むにつれて、バレーが強い人とか強豪校がどんどん出てくるんですけど、ああそんな理由があればそりゃ強いわ、って人ばっかりで。全キャラの軌跡が丁寧に紐解かれるから、こうやって育ってこうやって考えて練習してたら君はこうなるよね、そしてこれからの君もどんどん前に進んでいくんだね、って、「完結した物語なのにその先が楽しみ」という、稀有な気持ちになれる漫画です。

とんこ 勧善懲悪ではないんですね。

髙橋 まさにその逆かもしれない。真っ当にスポーツで切磋琢磨していくお話です。スポーツって、人が死なないけど最高に楽しいよねってすっかりインドアになった自分のような人間にも熱く語りかけてくれます。

とんこ 命を懸けない究極の戦いですね。話聞いてたら俄然興味が湧いてきました。読もうかなあ。

髙橋 全然もう、三日ぐらいうちにいてもいいからぜひ読んでください!


いいなと思ったら応援しよう!