保母須弥也先生の『オーラル リハビリテーション』を読み進める その6
『オーラル リハビリテーション』という著書について
著者の保母須弥也先生は、1964年にインディアナ大学歯学部大学院を修了され、1968年に『オーラル リハビリテーション』を出版されました。
この著書は、日本の歯科医療に大きな影響を与えました。口腔機能の再建に関する包括的な内容を扱い、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士の協働体制の重要性を示しています。
なぜこの本を書かれたのか
保母須弥也先生はこの本の序文で以下のように述べています。
「私はポーセレンに魅せられてアメリカインディアナ大学に留学し、そこでポーセレンのクラウンやブリッジの製法を学ぶうちに、咬合の重要性を改めて認識させられました。さらに、たまたま恩師JOHN F. JOHNSTON教授からオーラルリハビリテーションの手ほどきを受け、咬合の大切さをますます痛感するようになったのです。」
ジョン・F・ジョンストン教授の経歴と業績
経歴
インディアナ大学歯学部で教鞭を執り、1950年代を通じてクラウン・ブリッジ科の主任を務めました。
世界的に有名な講演者であり、多くの教科書を執筆しました。
メタルボンド冠(陶材焼付鋳造冠)の開発に貢献しました。
保母先生の序論から
また保母先生は序論で以下のように述べています。
「オーラルリハビリテーションという妖怪が世界の歯科界を歩き回っている。この妖怪の出現によって歯科界は今日、かつてない混乱に陥っている。本書では、この妖怪がどのように誕生し、どのような考えのもとに、これからどのような事態を巻き起こそうとしているのかを分析し、解明することを目的としている。これによってオーラルリハビリテーションの妖怪というおとぎ話に一つのピリオドを打つことができるならば、筆者にとってこれに勝る喜びはない。」