飯田雄太先生のセミナーを受けて:総義歯治療におけるデジタルの有用性
株式会社モリタ / Kulzer Japan 共催セミナー「総義歯治療におけるデジタルの有用性」を受講した内容をまとめました。
1. なぜデジタルデンチャーなのか?
デジタルデンチャーのメリット
変形が少ない
印象材、石膏、ワックスの変形リスクが少ない
レジン収縮が少ない(PMMAの体積収縮率は21%)
STLデータでの送付なら、配送時の変形も心配無用
歯牙配列がシンプル
配列修正が容易(ワックスに比べて)
何個でも複製可能
紛失・劣化時の再製作も簡単
試適用デンチャーを複数作成可能(様々な配列で試せる)
テイクホームトライ
治療用義歯で顎位の変化などを確認し、修正箇所を見極められる
データでのやり取り
院内完成・外注時でも義歯を預ける必要がなく、データで修正可能
「治療用義歯とEOSの組み合わせが最強」
IOSとEOS
IOS
機能形態は再現できない
平坦な面は誤差が生じやすい(粘膜面の印象には不向き)
EOS
ラボスキャナーが有効
医院での導入も検討
コスト(1床あたり)
ミリング:30,000円
3Dプリンター:3,500円
リライニング時のポイント
ロカテック処理が有効
デジタルデンチャーは、従来のアナログな手法に比べて、多くのメリットがあります。変形リスクの低減、配列修正の容易さ、複製・試作のしやすさなど、様々な面で効率化・高精度化が期待できます。
特に、治療用義歯とEOSの組み合わせは、患者さんにとっても、歯科医院にとっても、非常に有効な選択肢となるでしょう。