歯科技工9月号から 「疋田一洋先生CADCAM冠の過去現在未来」を読んでのまとめQ&A
Q1: CADCAM冠の歴史と現状について教えてください。
A1: CADCAM冠の歴史と現状は以下の通りです:
1970年代:国内外で歯科へのCADCAM技術応用の構想が始まりました。
1999年:GCから「デンタルCADCAM GN1」が販売されました。
2014年:小臼歯限定で保険診療に組み込まれました。
2022年:小臼歯部で金パラクラウンを超える使用量となりました。
それ以前は、ロストワックス法、築盛、焼成といった手法が主流でした。一般工業界では、CADCAMはすでに発展し、大量生産や精密加工が確立されていました。
Q2: CADCAM冠の接着において、最も多いトラブルとその対策は何ですか?
A2: CADCAM冠の最も多いトラブルは脱離です。その対策として、以下の手順が重要です:
クラウン内面のアルミナブラスト処理
25~50μmで0.1~0.2MPaのアルミナ噴射
目的:汚染物の機械的処理、微細な凹凸構造の形成、接着に有効なフィラー成分の露出
処理後は超音波洗浄
リン酸エッチング材による洗浄
シランカップリング処理の前準備または、サンドブラスト処理の補完
処理後は十分な水洗洗浄
シランカップリング処理
セラミック用プライマーの塗布
余剰液を残さず乾燥
支台歯の処理
汚染物の除去とプライマー処理
接着および光重合
接着性レジンセメントの使用
通常の2~3倍の時間で光照射
Q3: CADCAM冠の支台歯形成で注意すべき点は何ですか?
A3: CADCAM冠の支台歯形成では、以下の点に注意が必要です:
CADCAM法で作製することを考慮(計測・削合しやすい形態)
ハイブリッドレジンブロックの使用(強度の確保)
適切なクリアランス(咬合面で1~1.5mm)
円滑で明確なマージンライン(ヘビーシャンファーまたはラウンドショルダー)
隅角を丸める(隅角にベベルをつける)
滑沢かつ単純な形態(形成面は滑沢に)
Q4: CADCAM冠の今後の展望について教えてください。
A4: CADCAM冠の今後の展望は以下の通りです:
CADCAM冠の光学印象も保険適用に加わると予想される
診療室から技工室までデジタル技術でつながる
CADCAM技術は今後もさらに発展が期待される
歯科業界の様々な問題を解決する重要な手段として位置づけられる