切削バー:技工用具の選択と経験の重要性
こんにちは。今回は、技工用具の選択の重要性について、私の経験をお話しします。
技工用具の選択の重要性
ナイトガード製作において、使用する切削バーの選択は非常に重要です。私自身、様々なバーを試し、最適なものを見つけるまでに時間がかかりました。これは貴重なノウハウの一つです。
使用する道具、材料、機材の選択は、経験を積み、試行錯誤を重ねないと分からないことが多いです。そのため、経験者から直接教わる機会があれば、それは非常に貴重な経験となります。
学びと成長のプロセス
技術を学ぶ過程では、最初は教わった通りに忠実に実践することが大切です。しかし、徐々に自分のものにして、独自のやり方に変えていくことも重要です。これには勇気が必要で、慣れ親しんだ方法を手放し、新しいことにチャレンジするという2段階の勇気が求められます。
経験と決断の重要性
私は25年以上ナイトガード制作に携わり、年間1000ケース以上を手がけています。しかし、時代の変化に応じて、大きな決断を下すこともあります。例えば、メタルボンドの製作をやめるという決断は、私にとって非常に大きなものでした。
時代の流れに合わせて、ジルコニアへの移行を決断しましたが、これは簡単なことではありませんでした。しかし、このような決断を通じて、技術や事業を進化させることができるのです。
切削バーの種類と選択
切削バーには様々な種類があり、大きさや形状が異なりメーカーも様々です。選択の際は以下の点を考慮します
同じように見える形のバーであっても実際の削合感は同じではない場合があります。
削る際の安定性(バーが弾かれたり、予期せぬ振動が起きないか)
削る力(効率よく削れるか)
耐久性(長期間使用できるか)
ハンドピースの違いと影響
ハンドピースの選択も重要です。私はカボとナカニシのエンジンを使用していますが、それぞれに特徴があります:
カボ:振動が抑えられ、軸のブレが少ない。トルクがしっかりしており、滑らかな削り心地であるが発熱が早い
ナカニシ:カボに比べると若干ブレがあるが、性能は良い。比較的安価である
両者にはメリット・デメリットがあり、用途によって使い分けています。
技工士の健康への配慮
長時間のハンドピース使用は、肘に負担がかかることがあります。振動の少ないハンドピースを選ぶことで、この負担を軽減できる可能性があります。
研磨作業での工夫
研磨ボックス内での作業時、静電気によってレジンの粉がガラスに付着し、視界を妨げることがあります。バーの選択によっては、この付着を軽減できる場合もあります。粉の細かさが影響するようです。
まとめ
技工用具の選択は、単に性能だけでなく、自分の作業環境や使い勝手に合わせて行うことが重要です。他の技工士との情報交換を通じて、より良い選択ができるようになるでしょう。
皆さんも、日々の作業の中で自分に合った道具を見つけ、より効率的で質の高い技工を目指してください。経験を積み、時には大きな決断を下すことで、技術と共に成長していけるはずです。
以下にナイトガード製作時に筆者が現在使用している切削バーをご紹介します