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192 十二月十九日、輪島での災害ボランティア一日目

 昨日の12月23日、昨年夢中になったアニメでマンガ、『きみは放課後インソムニア』のヒロイン、曲伊咲の誕生日で、翌日の12月24日とともに昨年その作品の聖地巡礼で行った日付。昨年放送分では原作半分くらいだったので、翌年(つまり今年)から続編制作のために一ファンとして応援しようと12月30にまず初noteしたところ、翌日にあの、この地震。まことに微力ながら震災の現場を取材しようと、noteの目的の一部を変更したのでした。
 さて去る12月19日と20日の災害ボランティアのため、18日夜に北陸は金沢に入って一泊。わざわざ石川県庁までタクシーをお願いし、輪島行きのボラバスに乗る。しかし前の二回の集合場所だったワイプラザ輪島店(の駐車場)を通り過ぎ、やってきたのは輪島塗でなくキリコのための施設、輪島キリコ会館。

輪島キリコ会館

 殆ど海岸沿いの施設なので、余計寂しく思えたのを覚えています。そしして私の当初の目算でも50人か60人か。地震から殆ど一年経っていることを考慮しても、偉く寂しい所帯と思いました。しかし輪島たすけあいセンターの人が厳密に数えたら41人。地図からも狭くない面積の輪島市、数のマンパワーとしても微力すぎると少し絶望しました。
 気温は寒いことは寒かったです。でも合羽の上下を防寒用として着たし、昨年の聖地巡礼の経験から北陸は寒いとわかっていたので、想定内の寒さではありました。一方で驚いたのが天気の移り変わり。この地でも「弁当忘れても傘忘れるな」という格言(?)があるらしく、短くないバスの道のりでも雨やみぞれが降ったり、かと思えば単なる曇り空だったり、天気の不安定さを経験させてもらいました。
 そして一日目の現場ですが、その割り振りにちょっと時間がかかりました。正確を期すと一つ目二つ目、確か三つ目までは前もって決まっていた場所で次々に挙手が出て各自集まり、それぞれの現場に出て言ったのですが、私を含め出遅れた十数人の現場選びに時間を取られたようなのです。
 最終的に選ばれたのは輪島塗の(多分)工房。

一日目の現場の入口
片づけられていない館内

 そこは工房とともに輪島塗の行程を見学できる施設だったらしく、二階に倒れた人形が確認できました。上の写真は一階で、電源がどこかで途切れていたらしく暗い中での作業となりました。それでも外は海風が寒いので、風よけができる屋内作業は有り難かったです。
 具体的な作業内容は二階にある輪島塗の仕掛品をバケツリレーで一回に降ろし、(多分、実は私は未確認)軽トラに積み込むこと。私は階段の一番下で最後の受け渡し担当でした。作業的にはそんなに難しくなく、輪島塗だから割れる心配ないから、震災後、ボランティア受け入れ態勢が整つた時点でできた作業と思いました。なぜ殆ど一年が経とうとする先週まで現状維持に(結果として)なったのか。責任論や悪者探しに論を持っていくつもりはないけど、疑問を持ったのでした。
 お昼休憩に一旦ミュージアムに帰り、持ってきたおにぎりと惣菜パンを食べました。少し待ったら炊き出しが来てくれて、具入りの豚汁を二杯、有り難く戴きました。
 そして午後。と言っても私に限っては配置も同じなら手際も午前と同じようにすればいいので、殆ど迷うことはありませんでした。ただお盆ならお盆、台なら台が何個か重なってくるので、上下に挟んで最後の受け渡しに預けていました。下から両手で抱える場合もありましたが、暗い中での作業なので多くはやりませんでした。
 そして午後3時タイムアップ。もしかしらもう少し早い時間に終わり、3時前にキリコ会館でたすけあいセンターの人がお疲れ様の挨拶をしたのかも知れません。何はともあれ私が一人で予定を組んだ二日連続の災害ボランティア、一日目は(本当に有り難いことに)何の問題もなく終えることが出来たのでした。(大塩高志)

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