見出し画像

「協調性ないんで」男子発言ノート35

先日、初めて婚活パーティ的なるものに参加してみた。正直、マッチングできるかに過度に期待は寄せていなかったけれど、もうじき40歳になる手前の30代のうちに一度くらいは参加してみようと思い立ったのだった。

結果、マッチングせず(竹)。会って話した男子10人のうち、3人の名前を書いてみたけど、その誰も私の名前を書かなかったということです。

トゥッ。

って感じでした。ご愁傷様ですの鐘が頭の中でチーンとも鳴らない、スマホのメール通知音でいちばん地味な「竹」に近い音が最小音量で短く響くだけでした。さっき「(涙)」みたいに「(竹)」と書いたのは、そういうことです。

……まぁ、マッチングできるかなんて期待してなかったですよ。恋愛対象として見られることなんて無縁ですもの。そこは自ら律して挑みました。

ですけどね、最後の10番目の男子なんて途中から、
「僕、協調性ないんで。すぐ突っ走って呆れられますから! 落ち着きないし。笑」
とじぶんの欠点をすごい勢いで話し始めて期待すら抱かせてくれやしない。
まるで、
「短所だらけの男なんでパスで全然お願いしまっす! 僕もあなたに全然興味ないんで!」
って言われてるみたいで居心地ざわっザワ。

いや、でも私はキミの名前書いたんだよ!!!
野毛でよく飲むっていうから飲みトモくらいにはなれるかなーって。
そんなんでもいいじゃん?
欠点なんて誰にだってあるしさ。
恋愛関係だけがこの世でイチバンじゃ、ないじゃんね!?

……それなのに、トゥッ。
乾いた竹を軽く叩いた世界一シンプルなゴングの音であっけなく終了。

っていうかですよ。もういいの、10人目の協調性ナッシング男子はこの際。
実は密かに「この男子とはマッチングできるかな?」って期待しちゃった男子が別にいたのね。それは……

“南方熊楠”男子。

何ソレ(笑)? 南方熊楠と書いて「みなかたくまぐす」と読みますよ。
そんな名前の民俗学者の男性がかつて我が国にはいて、その偉人を何のきっかけか私、最近調べてほほうって思ったところだった。そんなね、そんな南方熊楠の名前を自己紹介カードに書いていた男子がい・た・の・ね!! 好きなもの・興味のあるものとして。

そりゃ、
「知ってます知ってます南方熊楠っ!」

って食いついた。だって、「南方熊楠」って書いてあってそれが何だかわかる人って決して多くはないと思うのね。人の名前かってことでさえ。「九州地方に分布する熊に似た楠(くすのき)?」ぐらいなもんスよ想像できるの。それに食いつけたってすごくない? すごくないの? 婚活ってそういうことじゃない!?

だって、あの日いた女子10人の中で南方熊楠に食いつけた女子が何人いた?
私だけじゃないのですか?
キミも嬉しそうに熊楠うんちくいっぱい話してくれたよね。
私もうんうんうんうん楽しそうに聞いたじゃない。(実際面白かったしね!)
ならそれってもう、運命の相手じゃんっ!
私こそキミがマッチングすべき相手じゃぁなかったの!?!?!?

………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………違ったんだね(竹)。

キミはきっと、南方熊楠なんか知っちゃってる女子より、「なんぽう……くま……くま……って何ですか?」って可愛くほんわかニコリ♡訊いてくる女子のほうが良かった。そうなんでしょう。はああーあ。

……そう、男子皆んなガチだった。ガチで恋愛対象の女子を見つけに来てた。

欠点をまるっと受け入れる飲みトモ女子でもない。
マニアックな知識を共有できる同族女子でもない。

私みたいな女子じゃなかった(爆竹)。



大島智衣Twitter
「#プチ男子発言ノート」も時々つぶやきます。フォロー・RT等お気軽に。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?