「こころもカッサカサです」 -男子発言ノート45
「乾燥してますね〜」という話になる。
冬のこの季節、居合わせるひとと掛け合う言葉は「寒いですね」「乾燥してますね」などなど冬冬している。
いつもは快活な男子がつぶやいた。
「こころもカッサカサですよ、この日々にっ」
どうしたのだよ男子。
そのこころに、私がこっくりとしたテクスチャの何らかを塗り込み浸透させ、潤してあげられたらいいのだけれど。
「馬油」ならぬ「おーしまー油」的な何かを。
*
どうしたらきみの日々はカッサカサじゃなくなるのか。
私が隣で、きみにとってはどーでもいいだろうことを喋って笑い合うのじゃ駄目かな?
きみが一人で出掛けているいろんな場所へ、私もこれからは一緒に行っては駄目?
夜明けの霜柱を一緒に踏みしだこうよ!!
……たのしいと思うんだけどな。
だって私には、
たのしい二人の画が頭の中にはっきりと見えている。もうずいぶん前から何度も。勝手に。
それに私たち、
たまたま同じハンドクリームだって使ってるじゃない!(たまたま)
……悪くないと思うんだよ、相性。
だけど彼は───。
一向に私を誘わないし、ずっと敬語やめないし、お互いにLINEだって知らない。
*
だからじゃぁ、彼はもっともっとカッサカサになればいい。
そうしたらおのずと、誰かを求め引き寄せるようになるかもしれない。ニンゲン吸水材のように。
それでそれが、たまたまでも私であったらいいなと思う。
ひゅっと吸着してくれよ、なあ私を。
……こころもカッサカサ?
私はかかともカッサカサだ。冬の半分は保湿クリームのことを考えている。
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