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再処理から撤退すべき/逢坂誠二 7899回

夜明け前のニセコは、空全体に雲が広がっています。雨は降っていません。朝の気温は21度程度。日中も曇り、27度の予報です。午後からの会議に備え、今日は昼頃には、帰函します。

1)再処理から撤退すべき
9日、青森県、むつ市、東京電力ホールディングス、日本原子力発電の子会社「リサイクル燃料貯蔵」が9日、使用済み核燃料の中間貯蔵に関する安全協定を結びました。

原発から発生する使用済み核燃を再処理するまでの間、当面、青森県で保管するとの考え方です。青森県やむつ市は難しい中での決断だったと思います。

原発には、色々な課題がありますが、発電によって発生した放射性廃棄物の処分方法が決まらず、原発のことを「トイレのないマンション」と批判的に表現することもあります。この廃棄物の代表例が、今回、青森県で中間貯蔵する使用済み核燃料です。

日本には現在、約1.9万トンの使用済み核燃料があります。政府は、この使用済み核燃料を再処理して、再度、発電に使う方針を決めています。したがって日本の使用済み核燃料は、廃棄物ではなく利用できる有価物だというのが、政府の考え方です。

再処理後の燃料からは、また新しい使用済み核燃料が発生します。したがって再処理は単なる、問題の先送りに過ぎないことは、誰の目にも明らかです。しかし政府は、問題の先送りであることを認めず、再処理にこだわっています。

再処理の前提になる青森県六ヶ所村の再処理工場は、当初1997年に完成する予定でしたが、完成が26回も延期され、未だに完成していません。しかも仮に完成してもこれまでの取り組みを見ると、コストもかさむ上、安定的な操業は難しいのが現実です。

原発

使用済み核燃料発生

再処理でプルトニム取り出し

MOX燃料製造

使用済みMOX燃料発生(処理できない)

アメリカでは、再処理による発電はコストが高すぎて経済合理性がないとの理由で、早々と撤退しました。

また日本は、約45トンのプルトニウムを抱えていますが、核不拡散の観点も含め、国際的にはこの全てを発電に使うことになっています。現在、これほどのプルトニウムを抱え込んでいますので、当面は、使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す意味はありません。

技術面、経済性、核不拡散のいずれの観点からも、使用済み核燃料の再処理は破綻していることは、誰の目にも明らかです。しかし政府はこれにこだわり続けています。

政府は、再処理から撤退し、乾式貯蔵で長期保存に、政策の転換をすべきです。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
【24年8月17日 その6202『逢坂誠二の徒然日記』7899回】

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