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官民ファンドの失敗/逢坂誠二 7848回

【24年6月27日 その6151『逢坂誠二の徒然日記』7848回】
午前5時の都内、雲が広がっていますが雨の雰囲気はありません。気温22度です。日中は27度、午後には多少の雨が降るかもしれません。

1)官民ファンドの失敗
安倍内閣の負の遺産の話をすると、立憲は批判ばかりと指摘する方がおります。しかし酷いものは酷いのです。色々な酷さがありますが、異次元の金融緩和によって、日銀が身動きが取れない状態になりました。

日銀の国債保有高は600兆円近くで、発行残高の半分以上です。

財政法5条で禁止されている財政ファイナンスを事実上行なってしまったのです。財政ファイナンスとは「日銀がが通貨を発行して国債を直接引き受けること」です。「マネタイゼーション」とも呼ばれますが、これを行えば、極端なインフレを引き起こす恐れがあるから禁止されているのです。安倍総理は、これをやってしまったのです。

日銀の株保有額も簿価で40兆円近くになります。株価が官の力で歪めらられているのです。

先進国の中で、こんな中央銀行はありません。

日銀は金融によって経済を制御する手立てを失ったのです。これが負の遺産と言わずして、何と言えば良いのでしょうか。

そしてここに来てまた、新たな事実が発覚しました。

安倍総理が進めた官民ファンドの多くが赤字になっています。

その一つが「海外交通・都市開発事業支援機構」(JOIN)です。

JOINは海外インフラへの投資を支援する官民ファンドで、2014年10月に設立されました。今年3月末までの投融資額は2561億円ですが、その4割、約1000億円で回収のめどが立たないといいます。

*テキサス州の新幹線建設事業
*ブラジルの鉄道事業
*ミャンマーの都市再開発事業「Yコンプレックス」

これらが失敗したのです。

しかも政府は、これらの事実を隠そうとしていた形跡が大です。

これら官民ファンドは、安倍総理が成長戦略の一つとして新設したものです。ところが収益があがらず、JOINを含む主要15ファンドのうち9つが昨年3月末時点で累積赤字を抱えています。クールジャパン機構は398億円、農林漁業成長産業化支援機構は162億円の赤字です。

こうした事実を指摘すると、「批判ばかりではなく対案を」などの間の抜けたことを言う方がおります。失敗の事実を速やかに認め、これほど我が国にダメージを与えているのですから、政権から降りるべきなのです。

さあ今日も、ブレずに曲げずに、確実に前進します。
===2024.6.27===
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