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核燃料サイクルの破綻(逢坂誠二の徒然日記)
【25年3月4日 『逢坂誠二の徒然日記』8098回】
昨朝、函館駅前で街頭活動をお行った後、上京しましたが、風も強く氷点下4度近くで、体が心底冷え込んでしまいました。昨夕は都内でも雪が舞っていました。今日日中は曇り、夜にはまた雪が舞うようです。午前4時の気温は零度程度、日中は8度になる見込みです。
1)核燃料サイクルの破綻
日本の核燃料サイクルが破綻していることついて、これまでも何度も言及しました。しかし国は破綻を認めず今も実現に向けて資金を注ぎ込んでいます。毎日新聞(3月3日付)が、この問題を取り上げていますので、この機会に改めて整理をします。
課題だらけでアメリカなどでも中止し、国民負担も増加し、環境への負荷も増大することが明白であるにも関わらず、核燃料サイクルについて中止はおろか、真正面からの議論もできないのは異常だと私は思います。
1. 日本の核燃料サイクルの現状と問題点
日本の核燃料サイクル政策は、使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを抽出してMOX燃料として再利用することを目的としています。しかし、この政策は多くの課題を抱えており、特に六ヶ所再処理工場の計画遅延やコスト増大が深刻な問題となっています。
(1) 六ヶ所再処理工場の現状
*1993年に着工し、当初1997年に完成予定だったが、27回の延期を経て2026年度末完成予定
*既に22兆円以上のコストがかかることが明確で、最終的なコストはさらに増加する見通し
*核燃料サイクルを実施すれば、処理の難しい使用済みMOXが発生する
*高レベル放射性廃棄物の処理技術が確立しておらず、安全管理に課題
(2) 技術的・経済的問題
*フランスなどの技術を導入しているが再処理技術の確立が困難
*核燃料サイクルのコストが膨大であり、経済的に採算が取れない
*国内の原発が減少し、MOX燃料の使用が進まず、再処理の目的自体が揺らいでいる
(3) 環境・安全保障上の問題
*再処理によって放出される高レベル放射性廃棄物の処分場が未定
*核拡散のリスクがあり、日本が保有する45トンのプルトニウムが国際的な懸念の対象
*核燃料サイクルが維持されることで、テロや事故のリスクも増大
(4) 政府・電力業界の硬直化
*過去の政策決定を覆すことが難しく、政府は見直しに消極的
*電力業界の利害が絡み、政策の変更が進まない
*使用済み核燃料を一時保管している青森県との関係があり、政策変更で摩擦を招く可能性
2. このまま核燃料サイクルを継続した場合の日本の将来への影響
このまま核燃料サイクルを継続すれば、日本は以下のような深刻な影響を受ける可能性があります。
(1) 財政負担の増大
*すでに22兆円以上の費用が見込まれており、今後も追加のコストが膨らむ
*電力料金の上昇、税金による負担増加(いずれも国民負担)
(2) エネルギー政策の硬直化
*核燃料サイクルに固執することで、再生可能エネルギーへの投資が遅れる
*世界がエネルギー転換を進める中、日本は取り残される可能性
(3) 環境・安全リスクの増大
*高レベル放射性廃棄物の処理問題が深刻化
*再処理施設の事故リスクや、放射性物質の管理問題が増大
(4) 国際社会からの圧力増大
*日本のプルトニウム保有量が核不拡散の観点から問題視される
*中国・韓国・アメリカなど国際社会からの外交的圧力が強まる
核燃料サイクルには、これほど課題がありますが、多くの皆さんにこのことが認識されているとは言い難いのが現状です。特に国会などの場で、政府とまともな議論にならないのは呆れるばかりです。
核燃料サイクルや六ヶ所再処理工場の実態についての情報を多くの方々に共有して頂き、政策転換を求める声を上げ続けることが必要です。また、再生可能エネルギーの推進を加速させ、持続可能なエネルギー社会へ転換を図ることが、日本の未来にとって不可欠です。
【25年3月4日 その6401『逢坂誠二の徒然日記』8098回】
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